総合型私の所見-7
(宮城)さくらボウル・外観(宮城)さくらボウル・場内
さくらボウル(宮城県気仙沼市 左写真-外観・右写真-場内 写真提供JBC)


第 7号
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第 2号
第 1号

先月号でお約束した、現実に地域スポ−ツクラブの立ち上げに携わり、現在も「総合型」を形成するべく悪戦苦闘されている実情をご紹介します。

私の古くからの友人が、この構想のコアに身を委ね、様々な障害を切り開きながら運営を継続し、日進月歩の如く着実に実績を積み上げている現状を語ってくれました。

彼がこの活動を決意したのは、4年ほど前のことだそうです。

きっかけは、長年培ってきたスポ−ツ指導者としての思いと、文科省が打ち出した「総合型」の方向性が、今後の地域での視野の中で合致したからだと言います。

地域社会では、これまで地域住民が参加するスポ−ツ環境が、ある一定の種目を競技と捉え、その競技性を追求することに終始している場面が多いこと。

子ども達が自由に自分の意志で参加し、スポ−ツを楽しみ、自然な流れの中で体力の向上や社会教育を受ける事が出来て、その地域環境で主役となれる場が乏しいこと。

等を、決断の大きな要因として挙げていました。

彼の活動する環境は、大都市の中で創造しなければならないというところ。

勿論、新たなスポ−ツが出来る場所(ハ−ド)を建てる事など、個人の力ではどうにもなりません。

現存する様々な環境を、「総合型」の理念に沿って活用するしかありません。

そのために彼が描いた構図は、「住民の施設」である公立学校の校庭・体育館を、教育課程外の時間に開放出来るシステムを作ることから始めたそうです。

ところが、学校側へも行政側へも、その使用許可を取り付ける為の大元となる「住民の施設」という概念を理解してもらう事に、大変なエネルギ−を必要としたそうです。

行政には施設を使用する為の条例という壁があり、学校側には教育現場へ住民が入り込んで行くことへの抵抗という高い壁があったそうです。

行政に対して条例を解釈する上で使用可能な理論を唱え、学校側には子どもを含めた地域住民が「主役」である環境を訴え続けたそうです。

それらの許可と理解を得る為に、半年以上の月日を要したそうです。

そこで彼が強く感じたことは、文科省(国)の施策が末端まで行き渡っていない事を、痛切に体験したということです。

この思いは、現在に至っても尚障害となっているそうです。

彼としては、学校環境の開放ですから、当然、教育委員会経由でその理念は伝わっているものと高を括っていた部分があり、地域レベルでは全く理念が通用しないという大きなハ−ドルだったそうです。

今でこそ、公立施設5ケ所を使い「場の開放」が出来るようになったそうですが、そうなるまでの苦労は並大抵では無かったそうです。

(青森)アイビーボウル下田・外観(青森)アイビーボウル下田・場内
アイビーボウル下田(青森県下田町 左写真-外観・右写真-場内 写真提供JBC)

彼は言います。

この様な地域環境を築いていく為には、大きな3本の要因が必要となる、と。

一つ目は、場の確保(前述の通り)

二つ目は、人の確保(運営するスタッフ・責任者・指導者の確保はさることながら、この場へ参加して来られる方々への「場」の魅力・周知も含む)

三つ目は、運営財源の確保(根本的には受益者負担・受益者責任を原則とする)

そして、この3つの要因を具現化するために、彼は常に以下の疑問・信念を抱きながら運営しているそうです。

1.総合型と言えども、多種目を必要とするのか?チャレンジしながら情報・デ−タの集積は不可欠である。

2.運営の心臓部は、各事業プログラムが住民ニ−ズにマッチしているか、魅力を感じさせる事業なのか、的確な判断・柔軟な構想が必要である。

3.様々な問題にぶち当った時、必ず立ち返れる運営理念を曲げないこと。

4.各環境で主役は誰なのかという事を念頭に置いて運営にあたる。

5.決して「地域スポ−ツクラブ」という形作りではなく、具体的事業の集合体を住民が作り出す「スポ−ツコミュニティ」と位置付けることである。

これ等は、「総合型」を運営し、地域に根付かせるための根幹であると私も感じます。

常に先を見越して考える能力が、そして、その考えた内容を具体化していく行動力が必要なのでしょう。

次回は、これ等の考え方に基づいて、如何にして地域での地位を築き、住民のニ−ズに応えた運営がされているかについて紹介したいと思います。

(太陽系) 以下次号へつづく。

(北海道)帯広スズランボウル・外観(北海道)帯広スズランボウル・場内
帯広スズランボウル(北海道帯広市 左写真-外観・右写真-場内 写真提供JBC)

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