■総合型私の所見-8■
前号で紹介したクラブでは、地域の中で活動を具体化していく方法として、以下の様な方法で行なっているそうだ。 1.日々恒常的に開く、各種スポ−ツが楽しめる場の運営プログラム 2.種目トップアスリ−トを招請しての、地域での啓発イベントプログラム 3.初心者や種目に興味を抱く方々を対象とした、一定の期間を定めたスク−ルプログラム 4.スポ−ツが持つ向上心の探求への、サポ−ト的な練習カリキュラムを擁したプログラム 5.施設を開放していただいている学校の部活動を支援していくプログラム 6.他の団体・グル−プなどとのネットワ−ク・協働を基調とした、スポ−ツ啓発プログラム 以上のようなプログラムを中心とした活動が主たる方法だそうだ。 これ等に共通して言えるのは、この活動が決して「総合型地域スポ−ツクラブ」という組織形態を優先している活動ではなく、参加者の立場に立って、参加者が何を望んでいるのか、参加者に何を提案出来るのかという見地から、流動的なプログラム活動重視で行なっていることだ。 つまり、クラブを運営するとか、クラブを維持するとかいう事を本筋とするのではなく、スポ−ツに取り組める、スポ−ツをする場にチャレンジし易い、気軽さやオ−プンな雰囲気を重要視し、参加者の意見やニ−ズに対し常に聞く耳を持ち、その為の活動範囲を広げる努力を継続しているということである。 基本概念は、あくまでも参加してくる方々主体の場であって、その場を参加者の自己負担によって支えていく、自己創造型のクラブ運営を行なっている。
これらには、文部科学省が唱える総合型の理念から言うと未完成な部分や、参加者主体による運営リスクが常に問題とされる。 ●クラブが拠点としている施設が無いこと、つまりクラブハウスなどのハ−ド部分を持てないこと。 ●運営スタッフの自己意識に頼る部分が大であり、現実に活動運営が手薄となってしまう問題が起こる。 ●受益者負担の原則を貫いているため、潤沢な運営資金を有した活動は望めない。 など、クラブ運営の3本柱となる「場」・「人」・「資金」の各部分で、常に流動リスクを抱えた運営となっている。 但し、この様な問題点を挙げることが出来るのは、あくまでクラブを運営していく理念は何なのかという部分に立ち返っている証拠で、常に参加者の利益を尊重するプログラムを提案していくことで、参加者にとって利便性を持った活動形態により、参加者実績がしっかりとカウントされている現状が物語っている。 活動の具体的なプログラムを多少変化させても、参加者のニ−ズを基礎的な部分で周知していることで、参加者がクラブの運営母体を支える図式が崩れないシステムが確立されていることだ。 スポ−ツによる地域コミュニティ形成を目指しているクラブとしては、参加している方々の意向が直接反映されている環境こそ、ハ−ドとされる箱物を所有することよりも大きな財産を有しているのだと感じる。 本来、地域スポ−ツクラブが必ず持たなければいけない、理念・ビジョンというコアの要素を十二分に生かした運営がされていると思う。 唯一つ、行政や地域団体の理解・援助を、今後は実質的に求め地域でのクラブの価値観を上げていくことに、大いなる努力が必要なのではないかと考える。 参加者である住民の意思や期待を考えると、活動母体の組織としての定着が将来的に求められくるのではないだろうか。 この方法が、地域にとって必要不可欠な存在に成長していってくれることを願うばかりだ。 それには、運営者の更なる努力が重要な鍵を握っているのだろう。 (太陽系) 以下次号へつづく。
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