■総合型私の所見-9■
子どもの体力低下が指摘され、早10年以上が経過しています。 この間、様々な行政スロ−ガンは打ち出されますが、抜本的な解決には至っていないのが現状です。 この問題には、いくつかの要因が重なり合っていると考えます。 ・ 学校教育環境での週休2日制による、「体育授業」見直しでの時定数の短縮 ・ 親が子どもの体力低下に関して、認識が不十分であること ・ 学力偏重主義での、子どもの放課後の時間が制約を受けている(必要以上の塾通い等) ・ 外遊びを安全に出来る環境が乏しい(事件・事故の多発、公園などの整備不足、交通事情等々) ・ 地域住民の子どもに対する意識が希薄になってきている 問題点を整理してみると、 問題点その1 スポ−ツ振興法で、各都道府県に設置を義務付けられている、「広域スポ−ツセンタ−」が担う使命は、「会場の貸し出し受付・手続」や「スポ−ツ教室の運営」など、住民に対する直接的サ−ビスの提供であってはならない。 各地域で努力している、目的を持ったスポ−ツクラブの支援、NPO用語で言うところの「中間支援」が使命であることを忘れてはならない。 問題点その2 子どもの外遊びや屋外活動の減少を考えるとき、防犯上の問題という視点は欠かせない。 安全な屋外活動の場としての、社会体育・スポ−ツ活動を評価するとともに、その場への往復途上の安全への配慮が最大限必要である。 共働き家庭が増加している現況、親が子どもを送迎しなければならないということになると、地域スポ−ツクラブへの積極的な参加の促進は期待できない。 小・中学校は、放課後になると安全のために速やかに自宅へ帰るよう指導しているが、それは、子どもを中心とした考えではなく、学校教員が自らの責任から解放されたいということが最大の理由だ。 子どもたちのための環境づくりをするのであれば、家庭・学校・地域社会が連携して支えるという考え方を持つべきである。 適正に管理する大人さえいれば、学校という施設は比較的安全な遊び場になると思われ、学校から家庭へ一時帰宅せずに済むようになれば参加者は大幅に増えるだろう。 「適正な管理」を行なうために、学校の教員に頼るのではなく、放課後、児童クラブやスポ−ツ団体・地域団体が連携して支える仕組みづくりが欠かせない。 地域に存在する、児童館・学童保育の場とも連携を促進させ、一連性を有する社会体育環境を築く必要がある。 学校には、厳正な管理者ではなく、地域の調整役としての役割が大いに期待される。 問題点その3 運動部活動については、指導教員の安定的確保が第一の問題であるが、少子化により教員配置が減少するのは必死であり、教員に過剰な期待をするのは無理がある。 結果として、社会体育との連携は必然である。 具体的には、社会人指導者(外部指導者)の導入と地位の保障、地域スポ−ツクラブや民間スポ−ツクラブ等との連携等である。 又、中体連等の学校体育関連組織と各競技団体の登録問題の解決も求められる。 組織・団体の閉鎖性解除は、学校部活動の再構築には欠かせない事項である。 部活動が学校教育の中で必須でなくなった現状を、あらゆる角度から検証する必要がある。 問題点その4 総合型地域スポ−ツクラブについては、前記の子どもの遊び場確保や運動部活動の受け皿としての期待値が高い。 すべての年代を対象とするとは言え、子どもが主たる対象となるのは間違いないことから、身近にある学校体育施設を主な活動場所として想定するのが自然である。 学校を活動場所とし、地域住民による運営を基本とするため、非営利での運営が基本となろうが、独立採算で人材を確保する必要があり、その経営は極めて難しい。 学校施設の定期的で柔軟な利用の確保や適正な参加料徴収の容認、日頃から学校との充分な意思疎通をはかる場の確保などが求められる。 などが考えられると思います。 将来を担う子どもを「守る」・「育てる」は、地域の大人の責任である原点に立ち返り、子どもの体力低下の問題には真剣な対応が必要です。 個々の大人が、他人に任せてしまう姿勢は、益々子どもの体力の「悪化」に結び付く最大の要因となるでしょう。 (太陽系) 以下次号へつづく。
|