| ■噛む力は一生の宝■
●NPO健康情報推進機構理事長 斎藤滋氏 噛むことの効能は、食べ物を消化しやすいよう細かくするだけではない。 噛むときの筋肉の動きや食感が脳に伝わると、満腹中枢が刺激されて「お腹がいっぱいになった」という感覚が生まれる。 逆によく噛まずに食べるとなかなか満腹感が得られず、過食になりやすい。 近年の肥満や生活習慣病の増加は、栄養の偏りや運動不足とともに、よく噛まない食べ方にも密接に関係している。 また噛むという行為は、脳の活発化にもつながることが最近明らかになってきた。 私たち研究グル−プの実験では、噛むことによって記憶力に関与する脳の海馬が活性化され、高齢者ほどその傾向が顕著であることが確認できた。 昔から歯の喪失は老化の始まりと言われるが、よく噛んで食べる食習慣は認知症(痴呆症)予防の効果が期待できると考えられる。 また同様に、人間らしい感性や情緒をつかさどる右脳の前頭前野が、咀嚼によって活性化されるという事実も分かった。 |