| ■心象を描く■
●画家 早川 義孝 (1936年東京生れ 千葉県柏市在住) 花瓶に挿してあるバラは全然美しくない。でも、その花が誰かにもらったものだとすると、贈ってくれた人の気持ちと、もらった僕の気持ちがバラに宿る。その心を描くんだよ。ただ、そのモノを見て、忠実に描く絵とは違うんだ。 僕にとっては、自然豊かな柏の風景が新鮮でねぇ〜。夕暮れの時、日なたの匂いを残す枯草に埋もれたときの心地よさ、電球に集まるたくさんの蛾の美しさ……街並みは変わっても僕の中の柏は変わらないんだよ。 10年前、脳梗塞で倒れた。リハビリのためにすぐに絵を描いたんだよ。健康なときは10分くらいで終わる作業に30分もかかった。 それも汗だくでやっとだった。絵なんていつでも描けると思っていた。それが全然描けない。健康のありがたさを感じてねぇ。絵に対する姿勢も変わった。絵が僕にとって生きる証。絵でよかったと思ってる。だから元気な限り、描ける限り描こうと。 |