■政治家■

東京・上野公園 西郷隆盛像
東京・上野公園 西郷隆盛像

●コラムニスト 田勢 康弘(たせ ひすひろ)氏

37年間、政治の観察者としておびただしい数の政治家と接してきた。その印象でいえば、絵に描いたような理想的な政治家もいないが、さりとて、どこから見ても悪人としかいいようのない政治家もいない、ということである。

政治家とは残酷な職業である。たくさんの人が周りにいるが、心を許せるのは限られた家族だけということが多い。「なぜ、相談してくれなかったのか」と死後に他の政治家はいうが、その政治家とて相談などはありえないと承知しているのだ。強く見える政治家ほど実は精神的に弱いことがよくある。「北海のヒグマ」といわれた中川一郎氏も、若くて有能な大蔵官僚出身の新井将敬氏も、とても自死するようなもろい政治家には見えなかった。

出世街道を駆け上がるタイプの政治家はどこかでかなりの無理をしている。資金の集め方も常軌を逸したものになりがちである。自分の政治的影響力を担保してくれるのはカネだけという心理になる。政界で嫉妬(しっと)の対象になり、やがて大物政治家摘発に情熱を燃やす捜査当局が注目する存在となっていく。政治家の死は政治の流れを変える大きなドラマの始まりである。

読書のおと(田勢康弘著作のペ−ジ)へ

前の「記事」へ戻る ボグ交差点19へ 次の「記事」へ進む

 全国ボウリング公認競技場協議会「トップページ」へ 「ボグ交差点・目次」へ