■がんにかかった医師-3■
三ヶ月と羽黒山 小野竹喬 画 1889−1979
三ヶ月と羽黒山 小野竹喬 画 1889-1979


第3回
第2回
第1回

●NPOジャパン・ウィルネス理事長 竹中文良氏(76歳・日本赤十字看護大学客員教授)

ジャパン・ウィルネスのセカンドオピニオン相談に舞い込む相談は急速に変わってきました。以前は、最初の医師の治療方針や判断が正しいかどうかという、いわば検証に重点が置かれていました。

しかし今では、再発を繰り返す患者が「いったいどこまでがんばればいいのか」とか、「抗がん剤で弱ってきて、もう治療はたくさんだが、続けたほうがいいか」、あるいは「どこまで闘えばいいのか、ホスピスに入るタイミングはどうすればいいのか」といった死生観に関するものが多くなっています。

そうなると、臨床系の医者だけでは対応できないことがあるので、緩和ケアの医師・看護師が対応することがあります。ほかに座禅、ヨガ、アロマテラピ−(芳香療法)などの補完療法も行い、それぞれの効果をあげていますね。

私ががんになった55歳のころ、こうしたNPOは存在しませんでした。私自身もほかの患者仲間とぼそぼそと話し合ったりする程度でした。それまで、自分では患者の気持ちが分かる医者だと思っていましたが、実際にがんにかかるとそうではなかったことを思い知りました。がん患者の精神的なサポ−トは、医者だけではできない。その思いが、今のNPO設立につながったと思っています。

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