■総合型私の所見−20■
全日本中学 優勝インタビュ− 高田浩規(大阪 河内長野市立南花台中3年)(提供 JBC)
全日本中学 優勝インタビュ− 高田浩規(大阪 河内長野市立南花台中3年)
(提供 JBC)


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前回、総合型地域スポ−ツクラブが公立の学校施設を、活動の場として使用する場合の問題点を2つほど挙げさせていただきました。地域ごとに定められている条例の矛盾点、及び、校内における学校管理者と教員との意識乖離。この他に考えなければならない点としては、一つに学校が存在する地域との共生が挙げられると思います。

教育現場では、今盛んに地域との連携・地域に門戸を開くといった取組みを進めるよう、行政担当所管から指導を受けています。学校の独自性を打ち出すために、ゆとり教育の名の下に地域人材の活用・地域組織とのつながりが求められています。

しかし、その対象となっているのは、旧来から存在する町会・自治会組織や、学校の同窓会組織・青少年地区委員会・地域老人会・子ども会など、いわゆる歴史を重んじてきた「ロ−カルコミュニティ」なのだということです。戦後60年という月日が経過し、日本復興の礎となってきた行政区割りの街場に作られてきた組織体は、今や核家族化や少子高齢化によって、その機能自体が形骸化しつつあります。

地域には、町・自治会組織に加入しない・その組織の意義すらも感じない世代の世帯が増え、地元意識が薄れてきていることが実態なのです。街の安心・安全というスロ−ガンも、向こう三軒両隣の考え方も希薄になってきています。世の中の流れが変わったにも関わらず、学校が対峙する地域領域とは、残念ながらこのロ−カルコミュニティなのです。

ここで何が問題になるかというと、この歴史を重んじるロ−カルコミュニティと対峙することによって、有名無実な地元意識という圧力が学校側にかかってくることです。地元名士といわれる方々からの施設への注文や意見・学校経営に対する進言など、いわゆる地域の既得権益が存在してしまいます。総合型を進める上において、地域既得権益はやっかいな存在で、「そんなクラブを立ち上げることなど聞いていない」とか、「立ち上げた時に自分へ挨拶がない」等、訳の判らない横槍が入ります。

かと言って立ち上げの際、地域名士に気を使いクラブ創設発起人に名を連ねてもらうと、他の有力者と言われる方からクレ−ムが付くなど、自分の存在を誇示する横車としか思えないような不条理な圧力がかかります。この面倒くさい作業をこなしていかなければ、地域でのクラブの存在が認められない仕組みが、暗黙の内に形成されているのです。クラブを創設しょうという意識ある方の大半が、この壁にぶち当たり挫折してしまう要因となります。

ここで整理しておかなくてはいけないことは、学校施設を有効活用し地域の担い手を育てるという理念の元に活動するということは、新たな切り口を地域に提言する「テ−マコミュニティ」創りなのだということなのです。つまり、しがらみのない新たな空間へ様々なテ−マ・プログラムを供給することにより、地域に新たな流れを形成するという試みなのです。地域の歴史を無視するわけでも否定するわけでもなく、旧来のロ−カルコミュニティに付帯して形成するわけでもないということです。

このテ−マコミュニティが、しっかり機能していくことにより、高齢化に伴い形骸化し、存在意義を問われつつあるロ−カルコミュニティに一石を投じ刺激を加えることにより、新たな機能が芽生えるきっかけ・きずなを生み出していくことを意識するべきなのです。ここで強く持たなければならない考え方は、「主役は誰なのだ」という根本の部分だと思います。学校施設を有効利用していく上では、主役は間違いなく「子ども達」だということを忘れてはならないと思います。子ども達が、地域のランドマ−クとして誇れる環境を築くことが、地域で歴史を刻んできた大人達の役割なのです。

学校施設を利用する上で、もう一つ考えなければならない存在は、PTA(Parent−Teacher−Association)組織です。戦後教育の基盤となる組織として、マッカ−サ−の指導の下に作られた「子供の福祉と教育効果の向上を目的とし、父母・教師が相互に協力して学校単位に組織された団体」です。この組織が総合型SCにとって諸刃の刃となる存在なのです。このことは、次回に述べたいと思います。

(太陽系)次号へつづく

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