| ■脳を鍛える■
●脳は20歳からまっすぐに退化する 東北大学教授 川島 隆太(かわしま りゅうた)氏 脳からみると、人間とは何か、この哲学的な問いの答えは極めて単純。前頭前野が発達している動物が人間、なんです。 まず、考える力。私たちは脳全体を使っているわけではありません。前頭前野を使って考えている。創造する力もそうですし、我慢する力も前頭前野からわき起こってきます。前頭前野の働きに一番かかわるのは「抑制」の機能です。素直で自動的な行動を抑制するというのが前頭前野の働きですから。 知恵や知識を問うテストの成績は、だいたい60歳代をピ−クにゆっくり下がっていく。ところが前頭前野の働きを調べるテストでは、20歳を過ぎると直線的に下がっていくことがわかっています。様々な脳の老化が表面化するのは、予備力がなくなった人からボロボロと症状が出るだけなんですね。成長期が終われば真っすぐに退化が始まっているわけです。 私たちの脳は、同じことを繰り返していると、どんどん働きが下がっていきます。要は脳をあまり使わなくても、いろいろな作業ができるようになっていく。これが学習の機能、慣れですね。ところが、この「慣れ」が起こらない例外中の例外が「数を扱う」のと「文字を扱う」行為で、常に前頭前野を活性化させることがわかったんです。(つづく) |