■「いい会社」とは■

●GCA代表取締役、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授 佐山 展生 氏

「いい会社」とはどういう会社か、また「いい会社」とは誰にとっていい会社かを考えてみましょう。会社を取り巻く利害関係者には株主、経営者、従業員、取引先、顧客などさまざまな人がいます。特定の人にだけ「いい会社」も世の中には存在します。例えば経営者があぐらをかいているような会社です。しかし、そういった会社はいい従業員が辞めていきますし、顧客も次第に離れていきます。「いい会社」とは、利害関係者皆にとっていい会社でなければなりません。

では、その皆にとっていい会社を誰がつくるかというと、私は経営者だと考えています。株主は経営者を選べますが、実際に業務執行に当たるのは経営者だからです。私自身、銀行を辞めて投資ファンドを立ち上げる時に、自戒の意味も込めて「会社は経営者で半分は決まる」と言っていました。ところが、いざ投資ファンドを始めて経営に直接関与して分かったのは「会社は9割以上、経営者で決まる」ということです。

もっとも、経営者と従業員のベクトルが異なれば、不活性な組織になってしまいます。まずは経営者が明確に目指すべき方向を示し、従業員もそれに同調し、百ある力のすべてを出し切る。それらを合成した会社のベクトルはとてつもなく大きくなり、結局そんな会社が「いい会社」になります。逆に、従業員が千人いたとしても実際は3百人しか働いていないような会社が破綻企業あるいは不振企業によく見る構図です。

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