■ドイツのスポーツ事情-7■
●変化の要因 ドイツ・ケルン体育大学教授 フォルカ−・リットナ− 氏 では、なぜこのようにスポ−ツは大きな変化を遂げたのか。その原因を見てみましょう。そのためには、脱工業化社会と言われる現代社会はどういうものなのかを見る必要があります。そしてそこには、日独にたくさんの共通性があるので、みなさんにとっても大きな関心があるのではないでしょうか。 現代社会の変化というのは、グロ−バル化、あるいは個人主義化。個人主義化というのはつまりみんなとやるのではなく、ひとりで考え何かをする、ということでこの点でドイツの方が少し進んでいるかもしれません。また、次に、現代病の種類が変わってきています。子どものうちから、もう成人病的な病気がひろがっている、あるいは心因性の疾病というもの、あるいは糖尿病の問題などがあり、病気の種類が変わっているということです。 またもうひとつの人口問題、これも日独共通だと思いますが、少子高齢化にあらわされる大きな変化、ということです。私どもが興味を抱くのは、平均寿命が日本、ドイツでかなり高く、日本は世界最長です。(平均寿命に関する国際比較)ただそれが同時にいくつかの問題を引き起こしていて、高齢化率が高まることによって、高齢者を社会にどうとけ込ませるか、そして健康をどのように維持するか、高齢者にどうやってスポ−ツをさせるか、もしスポ−ツをするならばスポ−ツクラブがそれに対応しなければいけない。あるいは自治体も高齢者に対するスポ−ツ対策を講じなければいけないということになるわけです。ドイツでは、今では中高年あるいは高齢者も若者と同じぐらいの割合でスポ−ツを楽しんでいます。以前は青年期が終わるともうスポ−ツはしないというのが普通でしたが、いまや比較的若い中高年者は継続してスポ−ツをしています。もちろん以前とはスポ−ツの種類は違いますがそういった新しいスポ−ツをするためのインフラも整っています。(つづく) |