■日本人の誇りは文化です■

小野竹喬 1889−1979 あかあかと日は難面もあきの風
小野竹喬 1889−1979 あかあかと日は難面もあきの風

●日本人の誇りは文化です 美輪 明宏 氏

戦前までの日本は、ゴッホやモネ、マネ、チャップリン、アイシュタインをはじめ、世界中の天才があこがれた国でした。ジャポニズムでは、みんな日本文化に脱帽したのです。元禄時代の能衣装にしてもデザインと色づかいの大胆さには、今でも驚かされます。伊達政宗の陣羽織はカラフルな水玉模様を組み合わせた柄で、ア−ル・デコを先取りしていました。

ユ−モアのセンスも日本文化は一流です。昔から、愛らしいものを生み出すのが得意。ウサギやカエルが相撲をとる様子を擬人化して描いた「鳥獣戯画」などはまさにそうです。お化けだって唐傘に提灯(提灯)、一反木綿(いったんもめん)なんていうふんどしみたいなお化けまでいて、幽霊のように怖いものさえ面白おかしく変身させてしまうのです。外国の吸血鬼みたいな「グロ」だけじゃない。この感覚が海外の人々を魅了している日本アニメの世界観に通じているのです。

何より素晴らしいのは、何でもアレンジしてしまう才能です。中国から漢字を取り入れ、さらに、ひらがな、カタカナを生みだし、今ではロ−マ字を含めて4種類を使いわけています。その咀嚼(そしゃく)力は、まるで巨大な胃袋みたいです。

すべての日本人の細胞には脈々と受け継がれてる美意識のDNAが組み込まれているのです。そんなオリジナリティ−に目覚めないとだめです。その気概や誇りがあれば、世界中どこへ行っても尊敬される通行手形になるでしょう。

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