目指せイタリアの精神

●目指せイタリアの精神 経済アナリスト、獨協大学経済学部教授 森永 卓郎 氏

私は、感性こそが人生を楽しみ、豊かにする鍵だと思います。これからの時代は、誰もがア−ティストになるべきなんです。私はその国の競争力を測る一番の基準は、お土産として買って帰れるものがあるかないかだと思います。アメリカには、ろくなお土産がありません。いっぽうで、イタリアは感性とアイデアで、どことも競合しない強い商品をつくっている。イタリア人は、何があっても常に明るく前向きに、人生を謳歌(おうか)しています。これからの日本人も「目指せイタリア」の精神で、豊かな人生を楽しむべきだと思います。

私の場合は、ミニカ−です。小学4年生から集めていて、今、2万台持っています。仲間には、ミニカ−のショップやメ−カ−をつくるなど、趣味がビジネスになっている人もいます。北原照久さんは僕と同じ時期に古いおもちゃを買い始めたのですが、今や彼の博物館には年間100万人が訪れ、彼のおもちゃの評価額は、うちのおもちゃの100倍以上。感性が違うと、人生はここまで大きく変わるのです。

老後の一番の危機は、経済面よりも、実は老後にすることがなくなることなんです。自分が活躍する場、自分を必要としてくれる場がないほど不幸なことはありません。仕事一筋だった会社人間ほど、退職後は誰からも相手にされなくなり、みじめな老後を迎えることになりがちです。そうならないためには、何でもいいので、今のうちからワクワクドキドキできるものを見つけておくことです。

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