世界で食料争奪、価格さらに高く

女 ウィレム・デ・ク−ニング 画 1904−1997
女 ウィレム・デ・ク−ニング 画 1904−1997

●世界で食料争奪、価格さらに高く 丸紅経済研究所 柴田 明夫 氏

世界の食料市場では今後三つの分野で争奪戦が始まると思います。一つは限られた食料・農産物を巡る国家間の争奪戦です。二つ目は食料分野とエネルギ−分野の間での争奪戦。三つ目は土と水を巡る農業分野と工業分野の奪い合いです。

この結果、食料価格はおそらく一段と高い水準に一気に上がるのではないでしょうか。そういう世界的な環境の変化を考えると、日本の食料自給率(*)は心もとない水準です。

ではどうするか。国内に水田は約250万ヘクタ−ルありますが、そのうち三分の一が転作や耕作放棄で有効に利用されていません。日本の土地を徹底利用し尽くすためにはプロの農家を支援・育成する方向で進むべきだす。

食料自給率の向上には輸出も重要です。日本の農産物は競争力が出てきていますが、まだ「点」の動きにとどまっています。持続的に点から線に、さらに面に広げていくためには、同時に食料輸入も拡大しないとうまくいかないと思います。

韓国は日本に先行して米国と自由貿易協定(FTA)を結ぶなどしており、食料貿易で日本だけが蚊帳の外に置かれる懸念があります。貿易の一段の自由化という問題も避けて通れません。

*06年度食料自給率=前年度より1ポイント低い39%(農林水産省発表)

主な先進国の食料自給率(2003年/%)=@オ−ストラリア237Aカナダ145B米国128Cフランス122Dスペイン89Eドイツ84F英国70Gイタリア62Hスイス49

*1973年大豆価格が暴騰、米国が大豆の輸出禁止に踏み切り、輸入国は衝撃を受けた。(当時の日本の自給率55%)

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