■総合型私の所見−22■
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総合型地域スポ−ツクラブづくりの施策の成果として、行政が何を示していけばよいのか? そろそろ問われ始めている頃だと思います。総合型地域スポ−ツクラブ(以下地域SC)の展開に係わるスポ−ツ振興基本計画の内容は、概ね下記のようなことであったかと思います。

目標:スポ−ツ実施率を高めよう(人口の50%がスポ−ツに触れる機会を持つように)子どもの体力づくり、高齢者の健康づくりを進めよう
施策の方向性:既存のスポ−ツのシステムでは実現できないから、地域SCを増やしていこう
当面の施策目標:地域SCを全市町村に設立
事業:地域SC育成事業etc.

地域SCだけでは、国民の50%が週1回以上スポ−ツを実施するための受け皿となりえないことは、様々な場面でこれまでにも指摘されています。地域SCは万能ではありません。しかし、既存のスポ−ツの枠組み・仕組みでは、いろいろな弊害があるのでこれを変革していこうと。その一つの象徴として、地域SCにその変革を求めてきたのだと思います。

地域SC育成事業をしてきたから、スポ−ツ実施率が上がったか? という以前に、地域SCを育成する施策はうまく機能してきたのかどうかを検証する必要があります。事業もしくは施策の目標が達成できていないにも関わらず、計画の目標が達成できないことを施策の方向性(既存のスポ−ツの仕組みを見直し、地域SCを増やしていこう)の否定に結びつけることは、政策評価・事業評価の手順として妙な話です。

地域SCが全国に広がるような社会になってもなお、計画の目標が達成できない(スポ−ツ実施率もあがらない、子どもの体力も、高齢者の健康づくりも進まない)のであれば、施策が不十分であるのか、あるいは間違っていたということになります。そう考えた時、まずは、地域SC育成事業は十分に展開されてきたのか、既存の体制を変革できているのかを確認しなければいけません。もし、それが不十分であるならば、どうすれば地域SCの育成や既存体制の変革を、もっと進められるかを、次なる施策・事業として考えなければならないはずです。

身近な行政の施策運営を見ていると、これまでの地域SCづくりは「既存体制の変革」をともなわず、単に既存体制と平行・帰属して、ともすると既存の体制の中の一つの組織として地域SCを進めてきたのでは? という現実が少なくないのではと感じています。

地域SCの設立準備を進められる中で、
★施設利用の既得権が強くて施設がなかなか使えない……
★他の団体と同じように抽選で……
という声を聞くことも少なくないように思います。

また、教育委員会に聞くと「そういうことはない」と答えが返ってきますが、相変わらず近隣の中学校では「部活に入っていないと評価(内申点)が下がる」という話が親の間でも、子どもの間でも話されています。

既存体制の既得権を残したまま、地域SCに自立だ自主運営だと求めて成果をあげろと言われても、一体何を目的としていたのか本質を見誤っていると思います。既存体制に関わって来た方々も一緒に、新しいものをつくることをしなければ、本来の目的は達成できないのではないかと思います。

私は、体育会系部活動出身者ですので、それなりには良い思い出も持ってはいます。先日、機会があって見かけたミニバスケットボ−ル大会では、殆どのチ−ムの監督が子ども達を罵倒している姿を見せられ(監督の大多数は、若者世代と呼ばれている年代です)、結果、子どもから「あのコ−チの時は、練習に行きたくない!」と聞かされた時、やはり、この世代が育ってきたスポ−ツ環境は間違っていたのではと感じました。

確かに、私の中学・高校時代も、同級生の多くは途中で部活をやめていきました(練習に足を向けなくなくなりました)。籍だけは残していましたが、先輩のしごき・教師の罵倒を乗り越えた奴だけが残っていました。

小学校で結果を出す・中学校で結果を出す・高校で結果を出すことが、本当に大切・大事なことなのか、誰にとって大事なことなのか、今、子ども達のスポ−ツの指導に関わっている方々の多くが真剣に考えた時、地域スポ−ツの仕組みが変わり、スポ−ツ振興基本計画の目標「競技力向上の部分の達成」に向かって、変革の第一歩が踏み出せるのではないかと考えます。

勿論、現在の事業が十分に進んでいないとすれば、それは何故なのかを検証することが必要です。その中で、見直すべきところは見直し、事業の進め方を変えていく部分も必要かと思います。しかし、それは事業そのものだけで考えるのではなく、なぜ事業計画が達成できないのか、その阻害要因は何であるのか、特に地域SC育成の場合、周辺環境も大きく影響することから、そういった周辺の因子についても十分に検討していかなければ、有効な事業推進につながらないと思われます。言うなれば、阻害要因を除去するための施策も当然必要になると思われます。

クラブ育成に関する諸事業のどのあたりがよくて、どのあたりがよくなかったのか。より有効にするためには、どのようなことをすればよいのか。2000年頃に行われていた事業、そして、2004年から行われている育成事業、それぞれについてしっかりとフィ−ドバックする必要があります。

講習会で、ロジカル・シンキングが大事だという説明がよくあります。事業が良い悪いという前に、事業の一つ一つのやり方がどうであったのかをクラブに関わる皆さんからフィ−ドバックしていくこと、現場で感じていることが最も求められている情報なのです。

(太陽系)次号へつづく

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