| ■悪玉コレステロ−ル注意報■
●帝京大学医学部内科学主任教授 寺本 民生(てらもと たみお)氏 本来、コレステロ−ルは体に必要なもので、おもに肝臓で作られて「LDLコレステロ−ル」という形で体のすみずみまに運ばれます。ところがLDLコレステロ−ルが増え過ぎると、血管の壁にたまって心筋こうそくや脳こうそくを引き起こす「動脈硬化」のもととなります。そのため、LDLコレステロ−ルは「悪玉」と呼ばれています。反対に、余分なコレステロ−ルを回収する「HDLコレステロ−ル」は「善玉」と呼ばれています。 生まれたばかりの赤ちゃんは同じくらいなのに、大人になると「悪玉」が多くなります。大人の場合、体のためには50mg/dlもあれば十分で、悪玉(LDL)コレステロ−ルが140mg/dl以上になると心筋こうそくや脳こうそくを引き起こす危険性が高くなります。悪玉(LDL)コレステロ−ルが増えても自覚症状がないのが怖いところで、血管の壁にコレステロ−ルのたまったふくらみができて、それが突然破裂して、心筋こうそくや脳こうそくといった命に関わる病気を引き起こすのです。 45歳以上の男性、高血圧や糖尿病の人、タバコを吸うなど、動脈硬化になりやすい「危険因子」を持っている人は、コレステロ−ルが血管にたまりやすい状態になっているので、特に悪玉(LDL)コレステロ−ルの値をしっかり下げなければなりません。 予防方法は、特別なことをしなくても、ふだんの食事で肉や卵を少し控えたり、なるべく歩くようにすればよいのです。タバコを吸う人は禁煙する。日本人はずっと長い間、米を主食に魚や豆類、野菜を組み合わせた食生活を送ってきました。欧米化した生活習慣を、少し元に戻して、それでも悪玉(LDL)コレステロ−ルが高かったら、薬の服用を考えます。最近は、悪玉(LDL)コレステロ−ルを下げることで心筋こうそくや脳こうそくを予防できる薬もあります。 |