■総合型私の所見−23■
今回は、総合型地域スポ−ツクラブ(以下地域SC)と学校部活動との関係を考えてみたいと思います。 地域SCが公立の中学校施設を有効活用して活動しょうとした時、必ず問題となってくるのがその学校のスポ−ツ系部活動との関係であると思います。 公立中学校での学校部活動の位置付けは、数年前より必須ではなくなった経緯は、以前書かせて頂いたと記憶しています。昔の様に、在学する子どもたちが必ず一つの部活動に参加しなければならないという現状ではなくなっています。しかしその反面、学校生活を送る上で、子どもたちが自らの意思・希望だけで選択出来るのは、部活動だけであることは言うまでもありません。つまり子どもたちの選択肢に、「何も入らない」という、いわゆる「帰宅部」の選択が増えたということです。 それに加えて、少子高齢化により生徒数の減少から、当然の様に教職員の数も減っている実状です。教職員数が減少すれば、各部活動の顧問数が足りなくなるのは物理的に仕方がないことです。この事によって、部活動が自動的に淘汰されていっている現実が学校内では起こっています。子どもたちのの体力低下が叫ばれて、早20年近く経過していますが、回復するどころか益々酷しい状況に陥っているのです。文部科学省の諮問機関である中央教育審議会発表では、子どもの体力は底を打ったという見解を示しています。どういうことかというと、「社会生活に耐えうる体力」を今の子どもたちは有していないということなのです。これは、子どもたちの社会において、重大な局面を迎えています。次代を担う子どもたちが、体力の老化を迎える前に、溌剌とした体力を身に付けることが出来ていないという事です。一例を挙げると、ある県の高校3年生の1500m走の平均タイムが、10年前の中学3年生レベルより下回っているというのです。特に、有酸素運動の低下や下腿力の低下が際立っているそうです。 この様な現実に拍車をかけるように、学校部活動の環境が狭められているということは由々しき事態です。この現実に、学校教職員を始めとして、学校を取り巻く地域の大人が真剣に考えていかなくてはならないのではないでしょうか? この役割を担っていくのが、正しく地域SCであると考えられます。 しかしここで問題となるのが、地域SCと教職員の関係であるのではないでしょうか。一部には、学校職員と地域人材とが良好な関係を築き、従来型の部活動ではなく、開かれたより高いレベルの環境を構築している例も聞いています。けれども大半の学校に於いては、教職員側が地域人材を迎え入れたくないという風潮があります。勿論、学校経営管理職が門戸を閉ざしてしまう例も少なくありません。只、この問題をクリアにしない限り、子どもたちが置かれている環境を変革していく事は不可能ではないでしょうか。学校教育上の指導では、子どもの体力低下は防げないという報告も出されています。「ゆとり教育」の方向性が打ち出された際、「学校体育」は大きな削減をされました。要するに、削減が行われた際に、社会体育への移行や期待が盛り込まれた筈なのですが、この辺は忘れられたというか置き去りにされてきました。このところ、「ゆとり教育」の見直しが叫ばれ、学校指導要領に授業時間の増加が組み込まれようとしていますが、「体育」の時間を増やすといった方向にはまだ向かっていません。 この様に社会体育の立場で、地域SCの持つ役割は重要であることへのプレゼンテ−ション不足が、学校部活動の疲弊へ大きく関わっています。今一度、「子どもの視点」で環境を見つめ直し、大人社会が真剣に考えることが必要なのではないでしょうか? 特に、学校教員には、自らの仕事の責任を全うする為にも、地域社会との融合を必要項目の中で積極的に図っていく努力が必要なのではと思います。改めて、子どもが生きていく上で、最低限必要な要素を大人が守ってあげる環境作りが早急に必要だと思います。その為にも、学校部活動と地域SCの融合は、有効な手段であると考えています。 (太陽系)次号へつづく |