真の健康とは、肉体・精神・社会的な健康

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●真の健康とは、肉体・精神・社会的な健康 筑波大学名誉教授 村上 和雄 氏

健康ブ−ムといわれて久しい。私たち願いは、いつまでも健康でありたいということである。そのため、健康増進に効果があるといわれる器具や食品などには、お金に糸目を付けずに飛びつくような風潮が見受けられる。

では、あらためて健康とは何であろうか。健康の定義をめぐっては、世界に新しい動きが起こっている。WHO(世界保健機関)の健康の定義は次のようなものである。

「健康とは、単に病気でない状態を意味するのではなく、完全な肉体的、精神的、社会的に健康な状態である」

この従来の健康の定義に加えて、スピリチュアルという言葉を追加することの是非をめぐって、半世紀も前から議論が続いている。その焦点であるスピリチュアルの訳語そのものも、日本ではいまだに統一的な見解がない。

そもそもスピリチュアルなものとは、単なる心ではなく、心と体をつなぐ人間存在にとって核となるものを指しており、日本では古来から「霊」や「魂」、あるいは「霊魂」と呼ばれてきたものではないかと私は考える。

だが、その霊や魂はどんなものかと問われれば、現代科学で、明確に説明することは不可能である。しかし、説明が困難であるにもかかわらず世界的にみて、霊や魂がたしかに存在すると信じる人は現在でも少なくない。

一般に、人間の魂というものは時間や空間を超えて連続し、死んで肉体や心が地上から消えても、魂はなくならないとされる。そして、死体から離れた魂は、いつしか新たな肉体をもって再生するという思想も、東洋を中心に広く受け入れられている。

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