■サブプライム問題を楽観していない■

冬のフ−ジック・フォ−ルズ モ−ゼスおばあさん 画 1860−1961
冬のフ−ジック・フォ−ルズ モ−ゼスおばあさん 画 1860−1961
 

●米コロンビア大学教授(ノ−ベル賞受賞) ジョセフ・E・スティグリッツ氏 1943生

サブプライム問題は経済の基本理論が分かっていれば予見できたが、金融市場の多くの人が予想できなかった。これは証券化の問題と関係している。

古い住宅ロ−ンのモデルは、契約者が支払えなくなったとき、貸し手、つまり銀行が傷ついた。住宅ロ−ンの最初と最後の結果がはっきりしていた。ところが証券化でリスクの分散化が進み、誰かが住宅ロ−ンを売り、それがまた誰かに売られ、どこに行ったのか分からなくなってしまった。ロ−ンの発行者がその結果を感じ取れなくなった。

そして住宅価格が上がる中で、支払い能力のない人にもお金が貸し付けられた。住宅価格が上がるから新しいロ−ンが借りられる。ブロ−カ−にとって素晴らしいシステムで、米国経済(の成長)にとっても重要な役割を果たしたが、これは詐欺だ。住宅価格が永遠に上がることなどあり得ない。

多くの人が家を差し押さえられ、来年は170万人の人が家を失うといわれている。そして多くの住宅が在庫になり、住宅価格は下がる。つまり不良債権が広がる。(人々は)貯蓄を増やさないといけないが、消費はどうしても落ち込む。今、米国でなされている議論は、(経済が)減速するかどうかではなく、その減速の程度なのだ。

だから私は、このサブプライム問題を楽観していない。米国経済全体にとって大きな悲劇であり、グロ−バル経済にとっても悲劇だからだ。

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