■08年余暇・レジャ−飛躍の鍵■

鉄道博物館 
鉄道博物館

●「金」と「時間」で二層化、父子消費にも注目 電通総研取締役 藤井 良彦 氏

07年に話題になった施設として、さいたま市大宮区に開設された「鉄道博物館」を挙げることができる。昨今は、団塊世代の男性を対象に各種雑誌やムックの創刊ブ−ムが続くなど、鉄道ブ−ムといわれているが、実際に行ってみると、平日など中高年カップルも多く、人気の秘密はそれだけではないことが分かる。

その鍵は、ヒット映画「ALWAYS続・3丁目の夕日」に代表されるような、昭和レトロブ−ムとの相乗効果にある。昭和のヒット歌謡や、人気映画を見ても分かるように、鉄道は昭和にはなくてはならないアイテムだ。鉄道博物館には、実物の車両を使って、上野駅や新潟駅をはじめとする「昭和の風景」が再現されており、「ホンモノの昭和レトロ」のテ−マパ−クとなつているのが、人気の秘密といえよう。ここから読み取れるポイントは、「中高年動員の鍵は、ホンモノの昭和にあり」である。

三浦展氏の著書「下流社会」がヒットして以来、社会の階層化が議論されることが多いが、余暇時間の使い方にも階層化が顕著になっている。余暇のボルトネックが、「『金』にある層」と、「『時間』にある層」との二分化である。所得が少ない層は、家にこもって、テレビやインタ−ネットで時間を消費する。所得の多い層は、レジャ−やホビ−など、余暇の過ごし方に対して活発なニ−ズがある一方で、それをこなす時間が取れない。このため、限られた時間に対して、極めて高額の支出を行なう。この両者の間で、余暇時間の使い方の二層化が、今後一層進展すると考えられる。ここから読み取れるポイントは、「ハイソを狙え、数を狙うな」ということになる。

世代的には、ティ−ンズ以下の層が注目される。彼ら・彼女らは、1980年代に「新人類」と呼ばれた世代の子供たち、いわば「新人類ジュニア」である。すでに団塊世代の母とその娘の間では、「一卵性母娘」と呼ばれたような、二世代消費が見られた。新人類と新人類ジュニアとの親子では、母子関係はもちろん、父と子の間でもホビ−、スポ−ツ、レジャ−などでの二世代消費が定着しているのが特徴だ。特にスポ−ツ関係ではこの傾向が顕著であり、最近のスタ−選手には、野球でもゴルフでも父親がコ−チとなって仕込まれた選手が多い。ここから読み取れるポイントは、「余暇支出は、父子消費に注目すべし」ということだ。

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