■タバコ値上げで財政と健康改善■

左写真=65歳女性 非喫煙者(夫も非喫煙者)きれいな肉色の正常な肺(提供 水上陽真氏)右写真=70歳男性 1日60本55年間喫煙 全てまっ黒!(正常な細胞がほとんどない)(提供 水上陽真氏)
左写真=65歳女性 非喫煙者(夫も非喫煙者)きれいな肉色の正常な肺
右写真=70歳男性 1日60本55年間喫煙 全てまっ黒!(正常な細胞がほとんどない)
(提供 水上陽真氏)

●タバコ値上げで財政と健康改善 サノフィ・アベンティス社長 フィリップ・フォシェ 氏

日本では毎年10万人超が喫煙関連疾患の合併症で亡くなり、英国のデ−タでも入院を必要とする疾患の40%がタバコに起因している。医療経済研究機構が1999年度のデ−タに基づいて実施した試算では、喫煙関連疾患による経済的負担(7兆円)は、タバコの税収(約2兆円)をはるかに上回る。5兆円の損失ということになる。

先進国の大半は喫煙によるリスクとタバコの宣伝に対して厳しい姿勢を取っている。タバコの価格や税率の引き上げ、広告禁止のほか、最近フランスが導入したような飲食店を含む公共施設での禁煙などの施策だ。

日本は世界保健機構(WHO)のタバコ規制枠組み条約(FCTC)に調印、批准したにもかかわらず、その実行を怠っているようだ。価格は先進国で最も低く、欧州の半分から4分の1。いたるところに置かれた60万台超の自動販売機を通じ、未成年も自由にタバコを買える。パッケ−ジ上の警告は不十分で小さい。

厚生省(当時)は1999年に、2010年までに喫煙人口半減という見通しを発表したが、これまでわずか7%減にとどまっている。

日本政府はFCTCに沿った行動を起こすべきだ。喫煙人口を減らし、ガンの発生を抑え、ヘルスケアに必要な財源を拡大するために最も効果的なのは、タバコの値上げだろう。10%の値上げで計画されている薬価基準改定とほぼ同等の経済的恩恵がある。この値上げを毎年繰り返せば市民の健康に貢献する。薬価引き下げは研究開発や革新への投資を日本から遠ざけるという結果しかもたらさない。

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丘の教会 東山 魁夷 画 1908−1999
丘の教会 東山 魁夷 画 1908-1999

●関連記事

世界保健機関(WHO)は、2月7日、世界各国のたばこ規制に関する包括的な報告書をまとめた。報告は喫煙による健康被害を防ぐ方法の一つとしてタバコ価格を引き上げるのも有効と指摘。日本ではタバコの値段が他の先進国に比べて安いことが高い喫煙率につながる一因という見方を裏付ける結果を示している。

       喫煙率(%) 価格(ドル) 税率(%)
日  本   43.3     2.58    58
米  国   20.7     3.89    10
フランス   28.2     6.33    64
ド イ ツ    27.9     5.62    62
英  国   27.0     9.69    63

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