■古代ローマ人の生活■
●古代ロ−マ人の生活 作家 高任 和夫(たかとう かずお) 氏 1946年生 古代ロ−マ人は、夜明けと共に起き、午後2時ごろまで仕事をして、それ以降の時間は公衆浴場ですごしていたらしい。ところで公衆浴場といっても半端ではない。皇帝寄贈の大浴場ともなれば、入浴とマッサ−ジのための設備のほかに、運動場、図書館、ゲ−ム室、庭園などを備えた総合施設なのだ。入浴料は驚くほど安い。 現代日本風に翻訳すれば、テニスに興じてから入浴して汗を流し、マッサ−ジを受ける、その後は囲碁を楽しんだり、本を読んだり、といったところだろう。まったく至れり尽くせりだ。これなら欝っぽくならずにすむだろうなと、私なんかは羨ましく感じてしまう。 注目すべきは、浴場は元老院の議員から奴隷にまで開放されていたことだ。第10代皇帝ティトゥスなどは、友人知人を引き連れてだろうが、入浴に通っていたという。皇帝がくるからといっても、一般人は入浴禁止などといった野暮な措置は取られていなかったらしい。 古代ロ−マ人というのは、いっぷう変わった人たちだったようだ。そしてロ−マ帝国とは、その後のどの帝国とも異質で、それゆえにこそ何百年もつづいた。ところで、言いたいのはそんなことではない。夜明けと共に起き、午後の2時まで仕事をするというライフスタイルに仰天したのだ。 私は朝から夜まで仕事をし、そのあと仲間と飲みに出かける毎日だった。多くのサラリ−マンは似たようなものだろう。いや、スピ−ドが強調される時代だから、もっと過酷かもしれない。私たちは2千年前のロ−マ人の生活に、遠く及ばないのではないか。 |