■死は順番に来る■

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●死は順番に来る ヴォ−リズ記念病院 ホスピス医 細井 順 氏 (56)

平成16年2月、スキ−から帰って、血尿が続き、CT検査をしたところ、右腎臓に大きな腫瘍が見つかりました。「あと5年は生きられない」と思いました。

がんと共生するのも生き方ですから、あまり慌てませんでした。脳卒中で倒れて動けなくなるより、どういう経過をたどるか、私が熟知しているがんの方が、「人生の最終章が書けそうだ」と思ったくらいです。しかし、手術は無事に終わり、今のところ、再発もありません。

ホスピス医として日々感じるのは、死は順番に来るということ。がんだから死ぬのではなくて、人間だから死んでいくんです。人間は死ぬ。それも、思わぬ時に。そのくらい、死というのは予測できない。がんだから死ぬのではないのです。

死は避けたくても避けられない。自分の生をどう意味のあるものにするかを考えます。ある研究者は「ホスピスとはあと一日のいのちを与えることはしないが、その一日にいのちを与えるところ」と記しています。人間は「今日はよかった」と思うと明日に希望が持てます。

今は死が地域に隠されています。でも、ホスピスが在宅患者にケアを提供し、地域にとけ込んでいけば、死が見えるものになる。「悔いのない生」を考える場所として、地域に開かれた存在にしていきたいですね。

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