■食料は戦略物質■
●国内の生産基盤守れ 東京大学教授(農業経済) 鈴木 宣弘 氏 食料は「戦略物質」というのが世界の常識だ。自国の食料確保を優先しコメや小麦の輸出を規制する国が出てきており、日本のように経済力があればいつでも好きなだけ買えるというのは楽観的すぎる。 穀物高騰でパン、めんなどは国内でも小売価格が上がったが、精肉や卵、牛乳など生鮮食料はコスト上昇ほどには値上がりしていない。 値上がりが小幅なのはありがたいようだが、実は飼料や燃料費などの高騰をかぶって国内農家が深刻な危機に直面している。このままでは穀物市況が落ち着く前に酪農、畜産、野菜などの農家で廃業が増え、生産基盤が崩壊しかねない。バタ−不足の次は牛乳も足りなくなる、といった具合だ。一度崩壊すると生産力の回復には大変な時間と労力がかかる。 国内生産者が疲弊すれば、いずれ消費者も困る。消費者は価格転嫁が避けられないことを理解する必要がある。 国内生産が確保できるように買え支える利点が消費者に還元されるような、生産者と消費者の提携システムを広げることも大切だ。 関連記事 ●食料安全保障懸念(平成19年6月1日号)へ |