■景気の断面「車離れ」■
新しい売り方をどんどん提案し、工夫を続けることだ…… ●日本自動車販売協会連合会会長 天野 洋一 氏 新車販売の低迷は、何か特殊な事情があるというより、日本の経済や社会が変化した結果ととらえるべきだ。少子高齢化が進み車が生活必需品の地方から、交通インフラが整った都市部への人口移動も加速した。そして消費の多様化だ。従来の売り方が通用しないのは、自動車販売業界に限った悩みではない。 環境意識の高まりなどもあり、軽や小型車が売れている。一方で国産車、輸入車を問わず、高級車の販売も増えている。不振が目立つのは、これまで新車需要の主流を占めていた中間価格帯の一般車種だ。自動車販売の現場でも二極化が進んでいる実感がある。 今後も減少が続くのかの焦点は登録車(排気量660t超)の動向。昨年度の登録車販売は342万台と2年間で50万台も減った。さすがにこのペ−スが続くとは思わない。若者の車離れというが、地域によっては通勤用などで底堅い需要がある。急回復は難しくても当面は小康状態が続くのではないか。 新車販売が上向くとすれば、きっかけは画期的な新型車が出ることだ。電気自動車や低公害ディ−ゼル車といった次世代の環境対応車は大きな可能性がある。新車取得が有利になる税制など、制度面の変更が追い風になるかもしれない。 子供の入学金や授業料がかさむ3、4月は支払いを飛ばす年10回払いの特別ロ−ンなど、新しい売り方をどんどん提案し、工夫を続けることだ。サ−ビスの面でも変革していかなければ、先細りは避けられないだろう。 *天野会長は元ホテルマンという異色の経営者。水上高原プリンスホテルの支配人を務めたこともあり、サ−ビス業で培った経験をフル活用する。群馬日産自動車では接客や店舗運営の改革を矢継ぎ早に実施。新車不況の中で好業績を実現し「販社改革」の成功例を作った。 |