ドイツのスポ−ツ事情−16

第16号
第15号
第14号
第13号
第12号
第11号

第10号
第9号
第8号
第7号
第6号
第5号
第4号
第3号
第2号
第1号

●導かれた命題 ドイツ・ケルン体育大学教授 フォルカ−・リットナ− 氏

最後になりますけれども、これまでお話ししたようなことを受けながら、最終的に私なりのテ−ゼ、命題を出してみます。

最初のテ−ゼは、脱工業化社会にあっては、スポ−ツが必要不可欠な、新しい社会政治的機能を持つようになっているということ。現代スポ−ツの目に見える多くの変化というものは、生活の質とスポ−ツの関係の根本的な変革を表すものである。これはドイツだけではなくて日本においてもスポ−ツクラブは同様な機能を持ってきている、持ち得ると私は考えます。

2番目の命題は、スポ−ツクラブというものは社会資本を生み出す非常に中心的な力に成り得る。そういった力を持つ、そういった可能性を持っている。このことは脱工業化社会にあって、速度を早めてあらわれる社会的な変化、それから必要とされる統合の問題に関して重要になると思います。

3番目のテ−ゼは、福祉的向上に対してもスポ−ツクラブというものは非常に必要不可欠な貢献をすることができる。これは次のような5つの領域において認められます。

1−まず個人が存在の意味を発見する手助けをする
2−社会的な統合と社会化の実現を助ける
3−健康の増進を助ける
4−人々が自分のライフスタイルを発見し、自己認識をする助けになる
5−市民社会における市民の参加型ボランティア活動を促進する

4番目のテ−ゼとしては、スポ−ツクラブは組織としての学習を通して変動する社会環境に対応していくための自己の能力を高めていかなければならない。

5番目のテ−ゼは、ネットワ−クを構築することは、スポ−ツクラブが地域社会にあってスポ−ツの発展を活性化するために最も重要な対処となる。

6番目の命題、スポ−ツやスポ−ツクラブの発展を舵取りしていくには、専門的な能力、専門性というものが前提になります。組織、クラブそのものが組織として専門的に自分たちの活動というものを構成していかなければならない。そういう必要性が出てきていると言えると思います。

これを背景として、地域の中でスポ−ツクラブが重要な貢献をしていくために必要な要素を〈魔法の四角形〉として表してみました(図14)。まず、スポ−ツに対する人々の需要に対応できるような、そういった能力を持たなければならない。それからスポ−ツにかかわる様々なデ−タがありますけれども、それを適切に分析し、処理する能力をクラブが組織として持っていなければならない。健康に関するデ−タですとか、青少年の様々な問題に対するデ−タ、そういったものを適切にマネジメントできる力をつけていなければいけない。それから様々な諸領域、これはネットワ−クの問題で、様々な、他のパ−トナ−と連携しながらプレイできる能力を、クラブとしつけていかなければならない。

青少年問題、高齢者の問題、社会的な問題、都市発展の問題、地域的な発展の問題、そういった問題にかかわって、クラブとして貢献していくためには様々なパ−トナ−と連携をしていかなければなりませんが、ネットワ−クをつくった場合に、そのために必要な場所としてオフィスなりを提供して、常に人がそこにいて、そのネットワ−クの舵取りをしていく、そういったことが必要になると思います。

最後の命題になりますけれども、脱工業化社会の諸問題ということに関連しては、スポ−ツとスポ−ツ組織が持っている、統合の可能性、能力、あるいは福祉的な能力、可能性、今後こういった可能性に対する期待というものがますます増大していくであろうといえます。地域政策というもの、あるいはスポ−ツ政策を考えて行く場合には、そういった諸問題に対するコンセプトをつくっていかなければならない。そのために重要なのはやはりネットワ−クをつくっていくことになると私は考えます。ご清聴ありがとうありがとうございました。(おわり)

前の「記事」へ戻る ボグ交差点30へ 次の「記事」へ進む

 全国ボウリング公認競技場協議会「トップページ」へ 「ボグ交差点・目次」へ