■総合型私の所見−25■
本当に久しぶりの投稿をさせて頂きます。 ここ半年ほど、ある地域クラブ設立のサポ−トを経験させてもらい、様々な思いと机上の理論では計り知れない多様な局面を体験することができました。ボウリング場という民間企業が経営する「施設」では考えられない、地域の「公立施設」を活用していくことによる諸々の思惑が交錯し、複雑に絡み合った地域事情を解きほぐす様なクラブ創りは、想像をはるかに越えたパワ−と忍耐が必要なことを実感しました。 ところが、クラブを立ち上げたことで目的が完結したわけではなく、創設したことにより新たな出発を迎えたわけで、実際に運営を提唱・継続していく地域のリ−ダ−達にとっては、その責任の重さを感じながら心身ともに休まる暇はないのです。というより、これからが更に大変な状況を迎えることになると想像します。 創設達成まで馬車馬の様に突っ走ってきた行動力を、ここでブレ−キを踏む様な暇は与えてくれません。なぜなら、何の為に行動・努力したのかという本質を省みれば、本来の目標・目的を考えると、クラブ創設という目に見える枠組・システムが出来ただけで、何一つ具体的な活動に転換されていないのです。この様な活動は、得てして「理念」が棚上げにされ、「手段」・「方策」が目的となってしまうことが往々にしてあります。その点を見誤ってしまうと、クラブ創設自体が机上の空論になりかねません。 彼らの「心の支え」・「活動の柱」となっているのは、2つの揺るぎ無い信念である筈です。 一つは、学校施設に代表される多くの公立施設は、そこに居住する全ての地域住民のものであって、その施設を有効に活用していく為には、地域自治による条例や既定概念ではなく、住民による主体的な行動によってその価値が生かされるものである。そういった考え方からして、地域住民にとって足を踏み入れ難かった公立施設(特に学校施設)を開放し、「有効活用」する目的を達成するための「プログラム構築」こそ重要なポイントとなる。 もう一つは、この活動が誰の為に行われることなのか、主役は誰なのかということを忘れてはならない。運営者自らの既得権益や自己満足を生み出す方法としてクラブ設立を行なったのでは決してなく、次代を担う子ども達から高齢社会に生き甲斐を感じることが必要な高齢者まで、幅広い地域ニ−ズに応えられる環境の創造を図っていかなければならない。 この2つの信念を目に見える「実体」とするために、その有効な手段・術として、具現化していくことが今後のクラブ運営なのです。 近年言われ続けてきた「少子高齢化」により、地域環境が目に見えて大きく様変わりしていることを実感します。公立・民間を問わず地域に増え続ける介護福祉施設、少子化によって統廃合される学校施設、廃校・閉所後の跡地利用が定まらず放置された状態の施設など、社会全体の問題点が街の景観まで変貌させ、その情景を体感することで、そこに居住する人々が目に見える問題として捉えるようになってきました。 社会保障制度への不安など、今まで漠然と抱いていたことが、現実となって身に降りかかってきている昨今、更に街並みが流動化することで精神的不安が煽動され、住民意識はネガティブな方向に舵を切ってしまう傾向にあります。その様な状況下だからこそ、自らのライフスタイルを充実させるための「場」・「きっかけ」は重要となるでしょう。そして、自らも参加し提案し創り上げることが出来る地域の「場」こそ、これからの社会で大きな価値を感じることが出来るでしょう。 次代を担う子ども達であれ、増え続ける高齢者であれ、生まれ育った地域で自らが必要なのだという存在感を抱かせる様な、主体的な行動を引き出す「環境」を築き上げることが、これからの社会にはとても必要なのではないでしょうか。社会経済は、相次ぐ物価の高騰でインフレ基調が懸念されています。この様な社会情勢だからこそ、民間企業が経営する様々な営利施設も、地域にとって重要な付加価値を得られる対象となるのではと思います。 ボウリング場などは、その最たる施設なのではないでしょうか? ボウリング業界のある企業が、自らの施設で他のスポ−ツまで経験できる「スポッチャ」という経営戦略を打ち出したことを、テレビCMなどで知りました。これは画期的な民間戦略と感じて、私自らも仲間を募って体験してきました。しかし、がっかりさせられたのは、この戦略が単なる客寄せの為の営業戦略に過ぎないと直ぐに感じてしまうほど、薄っぺらなアミュ−ズメント環境だったことです。 地域住民にとって、ボウリング場の最大の魅力は、スポ−ツをしたい、身体を動かしたいと思い立った時、必要以上の準備をしなくても、単にお金を払えば、安直に汗を流すことが出来る手軽さにあると思います。スポ−ツに高いモチベ−ションを持たない者でも、ワイワイガヤガヤと仲間で同じスポ−ツを楽しめ喜びを享受できる演出が出来るのが、とてつもない魅力であると私は思います。逆に言えば、それだけスポ−ツ観に対するハ−ドルが低いという、他のスポ−ツ種目では感じられない長所を持っていると思います。 そのボウリング場施設内に、他のスポ−ツも同じ感覚で体験出来る環境が、民間企業から提案されたことを一瞬ですがとても評価しました。それが何故がっかりさせられたかというと、この戦略自体が将来を見据えた手段ではないと感じたからです。つまり、ボウリング場内でバレ−ボ−ルや卓球やバドミントンが出来たとしても、体験したそのスポ−ツに魅力を感じ、今後もやってみたいという欲求に応える次の段階・手段が何も用意されていないということで、単なる時間潰しのゲ−ムとしか価値を感じないことです。 もし、この企業が地域のスポ−ツ環境とタイアップし、地域ネットワ−クの一つの場面として、この様な民間環境を演出し創造すれば、今後の住民ニ−ズに応えられる新たなシ−ンを描くことが出来たのではないでしょうか。この辺りは経営という感覚よりも、地域に対する企業意識・企業貢献(CSR)の問題に起因するのでしょうね。 これら地域に対する意識を高めることこそ、地域住民にとっても企業にとっても、大きな相乗効果が期待出来るのではと思います。端的に言うと、これらの考え方を包含出来てこそ、「総合型地域スポ−ツクラブ」事業といえるのではないでしょうか? 以前にも書かせて頂きましたが、地域における住民ニ−ズに応じた「テ−マコミュニティ」構築には、その地域と共に発展する民間企業の推進力は、欠かすことが出来ないソ−スだと私は思っています。昔ながらのロ−カルコミュニティを統制する行政との関わりも大事ですが、ル−ル・しきたりを守ろうとする方向性は、如何ともし難い状況に陥っています。地域に居住する人々の活力を引き出す為にも、官民一体となった地域揚力の手段を講じることが必要だと思います。 (太陽系) |