■町並み保存■
●町は人と土地の営みの証し 東京芸術大学名誉教授 前野 まもる 氏 「いい町」の最大の条件は、住民が自分の町を愛しているということです。そんな町には若者が帰ってきて、赤ちゃんからお年寄りまでそろって生活している。向う三軒両隣が仲良く暮らしている。だから町には生活感があり、町の良さが見え魅力を感じます。 町は、人と土地の営みの証しとして存在しています。私は長年、町並みや建築の保存運動をしてきましたが、中には「文化財だ」「観光だ」と、住民を置き去りにした町並み保存を進めるところもあります。そんな町では生活感が失われ、まるで映画や芝居の書き割りのような観光地でしかなくなってしまいます。お役所や観光業者主導の町並み保存では、住民の活力は育ちません。主役はあくまで住民です。 魅力ある町は、個々の町の歴史の文脈に根ざしたものを守り残し、住民が輝き、活力のある町です。倉敷の川沿いの蔵は、かって船で運ばれた米や綿花の保管蔵だった。この歴史ある蔵の町並みを残し、再生して美観を保っています。福岡県・八女福島では、仏壇、ちょうちんづくりなどの伝統工芸を守り生かし、子どもから老人までの活気の見える町並みが息づいています。 このように、歴史の中で住民が積み重ねていった「価値」が見える町並み保存が大切です。 ●読者が決める「町並み日本一」は? 1位 倉敷市・倉敷川畔(岡山)
7,625人 アンケ−トは、朝日新聞の会員サ−ビス「アスパラクラブ」のホ−ムペ−ジで実施。(複数回答) |