全国ボウリング公認競技場協議会
Japan
Association of Registered Bowling Alleys
普及活動のページ
レッツ・ゴー・ボウリング!
宮田 哲郎
(社)日本プロボウリング協会
(社)日本体育学会・体育経営管理部
会 員
平成18(2006)年11月1日号
第16章 2006年レジャー白書を読んで(続編2)
過日、長年お付き合いしているある若手経営者から、長いお手紙を
いただきました。前号コーホート分析の信憑性、業界のナショナル・
キャンペーンが将来 本当に企画されるのか、それが業界振興に有効
なのか、苦しい当面の資金繰り、幹部社員のマンネリ化・低い志気、
動機付けの難しさなど、事業を継続すべきを悩んでおられるのです。
開業30数年を経て、先代の経営コンセプトも目だって老化が進み、
次の目標を打ち立てるには、業界に「新しい経営ノウ・ハウ」が見当た
らない中で、当面の利益はほぼ確保できているようです。しかし、次の
リニュアル計画「新規顧客開拓の具体策」は、従来型手法では金融筋が
承知しないだろう・・・と心配していました。
さて、「新規顧客の開拓・リピーター化」を望まない業界人は居ない
のですが、「仮説をたてて、延々と実行」するセンターや、無料・有料で
基本的なノウ・ハウを開示しあっている(場・協会)組織を見たことが
ないのですが、いかがでしょうか?きっと、地域の協会は「近くで競合
しあっている」ので、無理があるのでしょう。
しかしながら、「業界の結束」は、いまだと断言します。
とは言え、私には全国の経営者協会、ボウラー団体、業者組織となる
と大きすぎて何ともいえないのですが、地域の(できれば競合しない)
センター同士が*結束して、本格的なエリア・マーケテイングを始める
なら、今しかないと思うのです。
これが「焦眉の急」であることは、過去18年間の「白書」を時系列
で観察するとよいのです。今月は、今起きていること、これから起きる
ボウリング業界の2,010問題、産業の危機を救う方法など、さらに
詳しくお話しましょう。
(1)いま、起きていること:
コーホート分析は、今後15年間あらゆるスポーツ・レジャー産業が
「縮小の一途を辿る」と予測しています。人口構造の変化、出生率低化
が続く中、わが産業は若者世代の「遊びニーズ」に過度に依存しており
、旧態依然とした「商業意図がみえみえ」のマーケテイングに頼るしか
ない状況から脱出する「抜本的な」対策を考える時期です。
また、ボウリングは画期的ハード・ウエアが出現しない限り、レトロ
化が避けられないのです。「新しいスターが誕生すれば・・・」とか、
メーカーが昔のオートマテイック・コンピューターに匹敵するものを
開発するだろうと「神風が吹く」ことを期待するのは、笑止千万です。
では、いま何が起きているのでしょうか?
昨年の参加人口が3,000万人を割る2,760万人となりました。
わが国スポーツ種目のナンバーワンとなる3,000万人を記録した
のは、1988年(昭和62年、2,960万人)以来のことですが、
89年(平成元年)の3,080万人から18年間も続いたのです。
しかし、昨年は前年比440万人減で、約30億円の減収でしたが、
全国1,000余りセンターは、どうお考えでしょうか?
(2)これから、起きること:
白書の分析は2、005年を100万人少なく誤記していますが、
これをベースに2,010年が250万人減の2,510万人、更に
2,015年は2,370万人としています。従来から、コーホート
分析は、ほぼ当たるといわれるだけに、恐ろしい気がします。
これは、今後の5年間で250万人減は、金額に直せば(年5回×
1回1、680円×・・・人減)となりますが、1センターあたりに
するとどうなりますか? どうしたら、回避できますか?
危機的事態を避けるには、従来のテレビ・コマーシャルは、大金が
かかる割には効果がないのです。また、接客方法や少しばかりの営業
改善では、何の効果もないでしょう。
業界がなしえる「自助努力の数々」を*議論する場が、今こそ本当
に必要なのではないでしょうか? 日本ボウリング評議会に期待する
ばかりです!
ともあれ、産業の動向を詳しく定点観測する上で、白書は本当に役に
立ちます。1997年以降の3ヵ年毎に「平均参加率」を求めた資料を
最後のページに付記しますが、幸運なことに、過去9ヵ年でも「10−
20代の若者」の支持が続いていることが明らかです。
ともあれ、今すぐ産業を「イノベートする」準備を始めましょう。
イノベーションの第一の目的は、ボウリングの公的なニーズを引出す
こと、公私を問わず、更なるリピーターを増やすことです。100万人
規模の参加人口減を補うのですから、時間も手間もかかり、並みの苦労
ではないでしょうが・・・。
(3)産業の危機を救うには、長い準備期間が必要:
私見ですが、旧来の業界手法は、まったく馴染まないと考えます。
例えば、人々の本質的ニーズをひきだし、リピーターを育成するには、
以前の「ちらしやパンフレット」は、ほとんど無力と思われます。
実際、地域や学校などの公的窓口では、ほとんど説得力を発揮できない
でいます。多分、コピー・ライターのような便利屋さんが「何かを参考」
にして、読みやすく、見栄えよく、改善したものでしょうが、薄っぺらな
商業的意図ばかりが目だって、具合悪いのです。大概のセンター現場が、
痛切に感じておられでしょう。
もし、文科省・日体協のキャンペーンに*連携するなら、拙速を尊ばず
、少なくとも2−3年の準備期間をかけるべきです。「公的なボウリング
需要を喚起する」のは、50年の業界史ではじめてのことですから。
★ナショナル・キャンペーン連携を進めるなら・・・
1.体育スポーツ行政や地域の窓口、学校関係へ、しかるべき
「提案書」を持って訪問活動(*ロビー活動)を行うこと
★まずは社長・重役の出番、支配人はこの後です
2.その間に、受け皿を整備(場とスタッフが属性・目的別の
テキストと集客マニュアルなどの使用法を研修)すること
3.属性(キッズ・ジュニア・レデイス・シニア・ヤング)別の
スポーツ・ニーズ適合のプレゼン話法をマスターすること
(4)現況:
10月には朝日新聞、NHKなどから本件について接触があり、
スポーツと地域再生、現代社会とスポーツなどの視点から「連載」
を予定している本格取材が始まりました。
また、先進的な業界有志からも、「研究会」の依頼があります。
研究会から始まって、私はロビー活動まで一緒にやります。
総合型構想では、センター関係者の教育やツールを提供する
ばかりでなく、県市町村の窓口と担当者を訪問するようにして
います。
とても疲れる、しかし非常にやりがいのあることです。
「手弁当」でも応援する気構えでいます。ご遠慮なく、ご相談
ください・・・。 (次号へ)
資料:参加率(男女年齢別・三ヵ年平均1997年−2005年)
A:1997―99 B:2、000―02
C:03−05
男性 全 体
10代 20代 30代 40代
50代 60代
A 36.6 53.6 51.2 48.8 41.0 31.7 10.1
B 35.2 57.9 50.9 43.9 43.9 30.7 11.2
C 31.2 55.5 51.2 35.6 37.0 22.7 12.9
女性 全 体 10代
20代 30代 40代 50代
60代
A 27.2 43.0 44.3 34.1 31.9 18.4 5.5
B 25.5 53.8 40.8 34.5 34.1 18.7 5.1
C 24.4 49.8 43.4 32.2 29.7 15.7 5.3
FROM THE DESK OF MIYATA TETUROU SEPT.06
上表で2、003年から2,005年にかけて「30−40−50代」
の男性参加率が急減したのは、平成不況のどん詰まりで「雇用不安」が
蔓延、急速に消費マインドも減退したからでしょう。一方、60代シニア
が過去20年以上ずっと参加人口が増やしていることがわかります。