全国ボウリング公認競技場協議会
Japan
Association of Registered Bowling Alleys
普及活動のページ
レッツ・ゴー・ボウリング!
宮田 哲郎
(社)日本プロボウリング協会
(社)日本体育学会・体育経営管理部
会 員
平成19(2007)年5月1日号
第22章
懸案だった「ボウリング大辞典」をベースボール・マガジン社より上梓する
幸運に恵まれ、長いあいだ編集してきた苦労から開放された安堵感に浸って
おります。
出版は、『ボウリング・マガジン』藤木編集長の計らいで、安価でコンパクト
な形で実現しました。体裁よりも内容ですが、単なるボウリング技術だけで
なく、マネージメント、マーケテイング、コーチング実務など660語以上
を収録、総合型スポーツクラブの概念やボウリング文化史まで網羅しました。
本を手にした人から・・・
1.表紙の三人は、誰か?
2.坂本龍馬は、ほんとうに日本人最初のボウラーなのか?
3.5,000年前の世界最古のボウリングを発見、考古学
の論文に書いた人は、どこの何者か? 論文は現存する
のか? どんなボウリングだったのか?
などと質問されることが多く、いつもより饒舌になる自分が
ありました。
辞典の執筆で、気づくこと
辞典となると、浅薄な「私論や持論」をもとに書く訳には参り
ません。そこでおよそ15年間、調査と取材に励んでいました
が、専門ばかの私でもいろいろ気づくことがありました。
それは、どの分野の専門家も、それぞれ『親学問』に基づく
研究・知見を応用しているということですが、事がスポーツ
の世界となると[論よりも実績を重視]する姿勢が先行して
おり、親学問を必要以上に軽視する人が多い事実でした。
当然、ボウリングでも「一流の論」を張る者が多く、辞典の
ような少ないスペースでまとめるには難しい言葉も多くあり
ました。一方、マネージメントやマーケテイングなど実務の
用語においても論より証拠ですから、数百の実験を経た数字
を書き込む必要があります。
ところが、「レジャー白書」や経産省などの[大まかな産業
データ]はあっても、地域のボウリング・データなどは貧弱
で、シンクタンク系を除くと最近10年間は殆どないことが
判りました。・・・会などメーカー系のものや正月、連休時の
地域統計はあるものの、これを時系列で分析、「対策を講じて
追跡調査」をした事例も見当たらず、前年比だけで一喜一憂
しているのかとあらぬ疑いを持ちました。
また、ボウラーの動向、技術志向などを示す学問的レベルの
ものは多いとは言えず、辞典にふさわしいデータの入手は、
ごく一部の研究者の好意にすがるしかありませんでした。
しかし、唯一の例外は、ボール関連です。
物理や工学系の優れた応用研究があり、ボールの素材にある
物理特性とボール・リアクションへの影響、力学的なドリル
・ レイアウトのほかに、数知れぬドリル実務から生まれる
名人芸的な考察が多くあり、本当のマニア、愛好者を喜ばせ
ている様子が見え、心強く思いました。
新年度を迎えて
たまたま、一部上場の*某社[3月期決算書]を見ました。
新年度から「女性やシニア世代」のプロモーションを始めると
ありましたが、どのような手法をとるのか、株主でもない私で
すが「楽しみが見つかった」な、と思っています。
思えば、ブーム以降、豊富な資金を使えるプロモーションを
見たことがありません。業界をあっと言わせるものかもしれ
ません。親しい経営者の方々とは、いろいろ推測しています
が、「過去のボウリング業界の定石」を踏むか、「時流を先行
する」コンセプトなのか、とすれば「大衆動員の大義名分は、
手法は何か・・・?」などと興味がつきません。
人口構造の変化をうけて、売り上げのほとんどがヤング世代
に負っている産業や企業が、どのような方法で時代対応して
ゆくのか、仮説と実験、検証を繰返し、新しい商品と販路を
開拓してゆくプロセスを実際に学べるチャンスと思います。
私の提案も一つの仮説でありますが、マーケテイングの原点
は仮説にもとづく膨大な数の実地検証です。幸い、近年は
同志が増え、仮説の根拠も検証の方法も会社の事情によって
異なるものの、着々と成果が出てきました。
私には各社の[顧問]の肩書きがあるので、すべてを明らかに
するわけには参りませんが、いずれ(何年か後に)機会をみて
公開するつもりです。今は、体育スポーツ行政のオピニオンを
創ること、検証に励む同志を結束、情報交換して強力なツール
を仕立てて、ボウラーを育てるスキルを熟成させることに熱中
するしかありません。
素朴な疑問
総合型構想に参画することが、「ボウリング経営にどのような
意味があるか、メリットは何か」と質問される経営者に、最近
はおめにかかることが多くなりました。県BPAJ会長さんが
、私の勉強会に遠方から出席されたり、近隣へ出張の度にお目
にかかったりしています。
同志の出現に感激、できるだけ「ノウハウを隠す」ことなく
対応するようにしていますが、意外なことに、これを「私の
プラーベートな思いつき、販促アイデア」と誤解している
ケースに出会うことです。下図をごらんになれば、疑問は
解消されましょう。
ちょっと古くて恐縮ですが、日本ボウリング場協会1992年
1月のレポート「第3回ボウリング・センター実態調査の分析」
によれば、ボウリング・センターまたは業界の課題として4つ
あげており、@顧客の定着化Aセンターの魅力の演出B地域の
競合レジャーとの差別化C「スポーツしてのアイデンテテイを、
どのように持たせてゆくか」(51ページ、58ページより)が
ありました。
レポートはボウリング=スポーツをアピールすると結んでいます
が、寡聞にしてその後の15年間、有効な策は見つからないよう
にみえます。結局、商業団体がいくら主張しても[世間は、商売
人の話を聞く耳」は持たないものと判断する時期なのでしょう。
誤解して欲しくないのですが、私はBPAJの傘の下にあって、
お世話になっているひとりですから、批判ではなく、[策を転換]
したら・・・と望んでいるのです。
「スポーツ組織の関係図」
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概論は、もう役に立たない?
最後に、執筆で気がついたこと、もうひとつ、ありました。
最盛期を過ぎようとしている業界では、一般概論や理想家の
青臭い理論は、公平に見ても、あまり役に立たないと思われる
ことです。
ただし、会社のシステムとするには、やはり「親学問が背景」
にあって、「わかりやすく理論武装」しておく必要があります。
しかし、3−4月の業界セミナーなどを観察しますと実感する
のですが、原点に返りすぎのテーマを選びすぎている・・・と
の感がありました。
概論や理想よりも、今後の3年間は行動の年になって欲しいの
ですが、世の中も経営も難しい時代になったものですね。
2007年度が、ますますよき年になりますように!!