普及活動のページ レッツ・ゴー・ボウリング! 第29章
宮田 哲郎
(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員
平成19(2007)年12月1日号
![]() チューリップの少女 マリー・ローランサン 画 1883-1956 |
目次 |
ボウリング・ブームの社会史(その7)
この稿は、11月25日−26日に書いています。
もう12月か・・・と感慨しきりですが、そろそろと
来年の計画を意識し始めるときですが、みなさま方は
いかがでしょうか?
このごろ、「普及のページ」をいつも読んでいるよ、と
おっしゃる経営者に出会うことが多くなり、私の拙い
考えを自由に書かせて下さるJARBAに、いつも感謝
しております。
来年以降は、センターのスクラップ化とリ・ビルドが加速
、撤退企業がますます増加するでしょう。その中で、数は
少ないが張切って参入した新規経営者の誰かが、業界団体
の再編成を促す(かも知れない)ことも予想されますが
、いずれにしても劇的変化が起こることでしょう。
人口構造の高齢化は、全面的に若者需要に依存している産業
に質的な変化、すなわち*業態の変化をもたらします。いま
業界あげて大いに議論して、更なる発展を期する新しい動き
が始まることを期待しています。
*ますます古典的な娯楽ニーズに特化するボウリング場、
一方では「リピーターの創出」に励む、専門店志向など。
1.日銀「2008年度の経済展望」について
去る11月1日、日本銀行は来年度日本経済の見通しを示す
「経済・物価情勢の展望」リポートを発表しました。そこで
は、2007年度の実質経済成長率は1.8%となるものの
、*来年度は「2.1%に回復する」と予測しました。
*日経 2007年11月1日号より
過去、ボウリング業界の消長は、常に景気の指標となる実質
GDP(国民総生産)に左右され続けてきましたから、以下
の数値は、来年度の業界にとって「明るい予言」ととらえる
向きが多いことでしょう。
日銀政策委員の見通し 2007年度 2008年度
1.実質GDP 1.8 2.1
2.消費者物価指数 0.0 0.4
3.国内企業物価指数 2.0 1.0
景気上昇に加えて、競合センターの撤退などで業績が上向く
センターがある一方、沈下が進むところが顕在化して来るで
ありましょう。ところで、景気の回復で業界全体は、本当に
上向くのでしょうか?
来年度以降の業界の基調は、*一部の例外的センターを除き、
業界全体は更に「冷え込む」のではないかと恐れ慄くのです。
*例外とは:隣接の競合センターが撤退することなどを指す。
皆さんは、すでに過去3ヵ年にわたって経産省「特定サービス
産業調査」速報が、前年・同月比のマイナスを示し続けている
ことに*気づいておられるでしょう。 例え、自分のセンター
の直接商圏が安泰であっても、業界全体が沈んではいけないの
です。
*JARBAホーム・ページのバックナンバーをご参照ください。
2.戦慄的な事実!
以上の論拠は、こんごの2,010年までに10代から20代
の若者人口が「約2.700万人」も減少することにあります。
一方、従来から若年層の参加率は(異常に)高く、10代では
約55%、20歳代は49%もあり、今後ボウリングする若者
は約150万人ほど減ってしまうのでは、と心配するのです。
パイの自然減で、来年度以降のセンター・レーン数の減少が
予想もつかないほどのペースで進むと思います。が、不吉な
予想が当たらないことを祈るばかりです。こんご、ますます
若者需要以外の経営ソースを探し出し、景気変動で一喜一憂
することのない堅実経営をめざすときでしょう。
しかし・・・、業界における大方の意見が「シニア層の開拓」
に特化していると聞きますが、それは「やや見当違い」では
ないか、と心配しています。私は「最も効果的なターゲット」
は別のところにもあると思いますが、いかがでしょうか?
とは言え、業界の考えは「第二義的には正しい」ので、ここで
更なる異論を唱えるのは控えるべきでしょう。不毛な議論より
、ひとつでも多くのトライアルが求められるからです。
私のように価値観の違う少数意見が、盛り上がる動きに「水を
さす」ことがあってはいけません。本件は公の場(セミナーなど)
で「論拠と戦略、展開事例」をご披露、みなで建設的な意見を
交わすべきですし、自らが「違う方向でもできることを実証」
したいと思っているからです。
3.願いは、ブーム再び!
この5カ年、ボウリングの普及を願う有意の経営者の方々と
1社当たり、月平均1日半の行動を共にしてきました。この
種目の参加人口は、現在も100種以上あるスポーツで首位
ですが、今後は「参加頻度」を上げる方向にあります。私の
選択肢は、体育スポーツ行政や総合型クラブ*有力者に働き
かけることですが、近年は成功の近道が見えてきました。
*総合型クラブ関係者は、地域の有力者、行政担当者。
いま、全企業がシニア・ビジネスに目を向けています。
そこで業界が分別盛りの人々をもまき込めるほどの理論武装を
真剣に行い、真のメリットを世に問う証拠となる*フイールド
・ワークを集めること、学校や行政のボウリング理解を進める
医科学的知見と技術の奥行きを整えるときになりました。
*事例 フイールド・ワーク 「奈良新聞」の報道
奈良県教育委員会・体育協会主催の講習会

かくして、ボウリングは生活スポーツとしての商品性を高める
ときです。スポーツ科学の知見を[応用]して、人々の内なる
ウオンツ、ニーズに対応する地道な作業をすることです。顧客
の減少を補うには、娯楽的な需要にこたえる単一商品であった
ボウリングを、以上のような切り口から見直して、仕立て直す
ことしかないのです。
また、いうまでもなくボウリング場は「地域の一成員」です。
企業の不正が続く昨今においては、総合型構想に参画して地域
社会に貢献すること、種目の長所と魅力、優れて人々の懇親を
自然に深めることができる特性を、正しく理解していただき、
ボウリング場の経営理念を大いに訴求するときです。私企業が
「*公的に国策キャンぺーンに参画できる」絶好機なのです。
*2006年、文科省は改訂[スポーツ振興基本計画]の中で、
「スポーツ組織と企業の参画が望まれる」としており、更に、
総合型クラブは、学校とともに[中学校区]の学生・児童の
体育スポーツ活動を促進する、と明記している。
4.ボウリングを「仕立て直す」・・・
現場はとっくに気がついていることですが、ボウリング需要は
プライベートな楽しみばかりではありません。子ども会や家族
の来場、町内会や職場コンペは「公的な側面」のニーズが顕在
化した姿なのです。これらの潜在的なニーズを更に増大するか
、深耕するか、手法をもっともっと強化する必要があります。
有効な手立ては、ただひとつ、スポーツ・コンセプトです。
ボウリングで「リピートしたくなる」よう仕立て直すため、
娯楽イメージが強すぎた「集客ちらしやポスター、セールス
・コピー」をすべて見直して、新しい付加価値を生む工夫を
はじめるのです。
私は、あらゆる人々がボウリングに魅力を感じているところ、
個人の基本的ニーズと目的に対応できるよう、楽しいイラスト
や新しい表現ですべてを仕立て直しました。キッズとジュニア
、熟年、女性、若者など、属性別に「新しいテキスト」を仕立
て直して、*各地のプロジェクトで改良し続けています。
*福岡・宮崎・大分・高知・香川・岡山・大阪・奈良・神奈川・東京
・埼玉・福島・山形・・・、来年度から北海道のセンター群も。
最近では、全公協の*シニア・パンフレットや*北海道場協会
の小冊子などは、以上の作業で生まれたものです。ボウラーの
経験則や考え、表現を大切にしながら、スポーツ医科学を駆使
して、かなり平易にまとめました。ぜひ、一度ごらん下さい。

北海道場協会「ものしりガイド」シリーズ1

JARBAパンフレット「10歳若返りましょう!」
次号予告:お金も、時間も、浪費しないマーケテイング!
![]()