普及活動のページ レッツ・ゴー・ボウリング! 第34章
宮田 哲郎
(社)日本プロボウリング協会 (社)日本体育学会・体育経営管理部会員
平成20(2008)年5月1日号
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ボウリングを仕立て直す(その2)
人口構造の高齢化が進み、レジャー関連業界に急速に暗雲が垂れ込んで
きました。また、昨日は「自民党支配の終焉」が間近いと思わせる山口県
の選挙結果が報道されました。
1.業界のいま
ちょっと以前まで、業況の変化は[経済の変化]とたかをくくっていた
のですが、実は経済の変化ではなく、「社会そのものの変化」と考えないと
出遅れる情勢になりました。コホート分析を思い出してください。
業界はいま、未曾有の試練に向かっています。
政治の変化、人口構造高齢化、若者の急減、着々進んでいるボウリング
のレトロ化、競合の出現のほかに、センターは現場管理者(支配人など)
の高齢化による超保守化・チャンレンジ精神の欠如・安全運転の事なかれ
主義が横行、新しい考え方に馴染もうとせず、欠点を批判するばかりの
姿勢が目に付きます。
2.業界を仕立て直したい
今月は、「ボウリングを仕立て直す」私のチャレンジをお話します。
お題目ばかりを唱えても事態は変りませんから、私の仮説や建て直し工程
に基いて作業をすすめなければなりません。作業は工具が必要ですから、
今月はツールをお話しましょう。
次は、この4年来 書き続けている「新しいLTB」戦略の一部です。
総合型構想に参画してから、人集めに苦労しないようになりましたから、
「企業理念そのもの」だったボウリング・テキストの改良が急務となって
います。
同時進行で、「指導者と管理者のマニュアル」も平行して作成しましたが、
こちらはずっと易しい仕事で、バリバリ進みます。指導・管理マニュアル
の一部分をご紹介いたしましょうか。
(写し)新しいLTBとは
成功センターの見学に訪れる業界人が少なくない。
しかし、数回 足を運んで、真の成功理由を学べる
ほど単純ではなく、報酬なしに気前よく「本当のノウ
・ハウ」を開示するセンターもありません。
@新・LTBの定義
今までにボウリングを殆どやらなかった人や、
初めての人々を集めて教育・理解させ、遂には
*愛好者(リピーター)まで育て上げることを
目的とする、戦略的なボウリング教室。
A5回・5週(1回×2時間)の計10時間が
定型。その上に「模擬リーグ」などを組合せ、
6―8週間ぐらいまで伸長できる。また、目的に
より1−2回で終わる短期型スクールがある。
B目的は、LTBでボウリングを正しく理解し、
リーグ参加など「生活スポーツを楽しむ」よう
動機づけすること。仮に参加頻度が少なくても、
この種目をよく評価する*オピニオン・リーダー
になっていただくのです。
C全テキストは、属性ごとに異なるボウリング・ニーズ
(アンケート聴取など)に立脚しており、セールス
・トークのマスターに重点をおくものです。
*オピニオン・リーダー:ボウリング理解者で、「くちコミ
のPR」をしてくれる、有名・無名を問わない重要人物。
多くは、若者より地域の年配者であり、知識人、地元有志で、
ふだんは目立たないが本当の有力者。
家庭においては父母、地域PTA、町内会役員であり、
学校では青少年育成協議会委員、体育指導委員である。
当然、総合型構想推進に関わる方々を指すことになる。
(注意)事例は、別冊「集客マニュアル資料集」に収めた。
50ページを越す資料集は、プロモーションに役立つ
新聞報道と事例研究論文を収録してある。
(写し)トレンド・マーケテイングの終焉
いまから30年以上のむかし、時代のトレンド(ブーム)から
出発したボウリング産業でしたから、結果的に一方的な広告戦略
に頼り、スポーツ医・科学の知見を応用して、人々のスポーツ・
ニーズに根拠をおく提案型の活動まで至らなかったのです。
最近はマス・メデイアにつぎ込む原資も少なく、継続的な効果
も期待するほど発揮できていません。結局、ボウリング場など地域
に生きる企業は、自助努力で顧客を開拓しなければなりません。
次は、旧式のltbが抱えていた根源的な問題の解決策です。
@理論武装する:
100種以上あるスポーツで、なぜ最優先するのか?
どのような*運動効果や生活メリットがあるというのか?
運動歴や体力差、性と年齢差があるのに、理由は・・・?
*資料:ボウリング「三つのメリット」。
A少なくともスクールに参加するような方々は、明確な動機
(運動を継続したい・新しい友人や知人と気持ちよく楽しむ
環境)を望んでいる。そこでは、思いつきの接客や口先だけ
トーク、「投球技術の高低に重きをおく」考え方や接客では
全くなじまないし、「大衆娯楽」の接客ではない。
B「企業理念を再構築」して、地域に大衆に訴求する。
企業不祥事が続々と明らかになる時代です。理念がないと
信用されないし、*本書の提案も不可能になってしまいます。
(特記)現代消費者は、企業を「疑惑の目」で見ている。
ボウリング・メリットの主張で、科学性に乏しい、商業色に
染まった旧来のポスターやちらし、単純で一方的なセールス・
トークなどは、全て廃棄しよう! 商業スポーツ施設らしい
「より高度で、洗練された、信頼される接客レベル」を!
(写し)開拓を急ぐ! 戦略ツール
長い不況のあと、業界はいま新規設備投資が難しい経済環境
にあり、魅力的なハード・ウエアもいまだに登場せず、新規
顧客の創出に苦慮しているところです。*現代経営学の巨人
ドラッカー先生は、次のように言っています。
*ヒント: あらゆる組織が、「社会的なニーズ」を把握し、新しい
ビジネスの出発点とすべきである。今までの50年間にやってきた
ことを、更によく努力して行ったとしても、精々は「現状維持」で
しかないのだから・・・。 「断絶の時代」 P.F.ドラッカー
これからの売上げ伸長は、接客技術など僅かな改善程度では
望み薄です。確実な達成は、次の戦略ツールを駆使して、遠く
を見ながら営々と続けるマーケテイング活動あるのみです。
総合型理念に「相乗り」が難しい・・・と悩むより、まずは
はじめることです。そして、経営者かそれに準じる者が陣頭
指揮しましょう。まったく新しいビジネス・モデルを、構築
するのですから。
*戦略ツールは、指導者マニュアルのほか、次の2種類。
@属性別の「テキスト」と「指導マニュアル」
A 〃 「集客マニュアル」と「資料集」
*属性とは:キッズ・ジュニア・レデイス・シニア・ヤングを指す。
それぞれ教室用テキスト(冊子)とパンフレット(A3サイズ二つ折り)
があり、目的と日程の長短で使い分ける。資料編は、ボウリングに関係
する社会的な話題を大量に収めてある。
3.こんごの方針
出だしは以上の通りですが、作業は順調に進み、同志も増えて
なかなか楽しみになってきました。ますます、やります。
最後に、突然の大ブームによって生まれ、半世紀を過ごしてきた
産業が急には「生まれ変われない」でしょう。しかし、リーダー
と現場の強い意志、市場変化に対応する確かな手段を飽くまで
続ける根気があれば、まったく不可能ではありません。
長い間いろいろな方のご意見を聞いてきましたが、結論はひとつ
脱トレンド・マーケテイングです。「自力で新しいボウラーを」
つくるのです。
総合型構想に参画、センターへ多数の人々を招きいれ、種目の
魅力と真価を体験していただき、地域におけるボウリング場の
役割と貢献を正しく、あまねく主張することです。
私の結論に賛成しない業界人が、最近はめっきり減りました。
参入を躊躇うのは、種々の理由で業界から退出しようとして
いるか、理屈は分かるが、難しいと思っているのでしょう。
仮に、改革の意思があっても、50年も続いたものを新しい
経営スキームに変えることが易しいわけはないのです。困った
ときは、原点に帰ってみるしかないのです。
再度、トレンドというものについて、よく考えて見ましょう。
では、また来月・・・。

新LTB
指導者と管理者のマニュアル 表紙