◆日本経済・新たな成長へ◆
●ペンシルベニア大名誉教授 ロ−レンス・クライン氏 日本は慢性的なデフレと相対的に高い失業率から脱出しつつあり、経済成長が戻ってきた。 経済成長率は平均約2%、成長率がもっと高かった時代には、他の先進諸国は日本の製造業(自動車、電子機器、建設、情報技術、造船、その他世界的な製造業)の競争力を尊敬のまなざしで見つめていた。 日本経済の卓越性は、敬服の念を持って迎えられたが、世界の先進国と互角に戦うことができたのは日本の有力企業だけだった。本当の意味での競争相手は、今なおそれぞれの分野における最高の企業だけで、他の先進国が恐れる競争相手は、中国、インド、その他数カ国に変わってしまった。 日本が世界第二の国内総生産(GDP)にふさわしい世界経済の主導的な地位を回復するには、二つの主要な問題に取り組む必要がある。日本の将来にふさわしい目標成長率の設定と、持続可能で、なおかつより高い経済成長率をもたらすマクロ経済政策だ。日本はまず3%の成長率を達成し、景気刺激と創造力によってこれを4%に引き上げることを提案したい。 私は、創造性を発揮するよう卒業生に呼びかけた江崎玲於奈元筑波大学学長の発言を支持する。 ここから、日本経済を世界一流の高い成長軌道に乗せるための最初の提案が導かれる。公共投資を増やせと示唆する経済学者もいるが、日本は、橋や道路、通信、運輸、健康的な環境といったインフラ整備に関し、国ができることはすべてやり遂げてしまった。公共投資拡大は必要ない。 ただし、増やすべき重要な分野もある。日本の教育機関を海外からの留学生に魅力的なものとし、日本の学生が世界の高等教育機関に流失するのに歯止めをかけるための教育機関に対する投資だ。最近の国際貿易の統計は、日本がアジア、ひいては世界全体との良好な経済関係に大きく貢献できることを示している。 |