◆情報の磁場◆

京都市街夕景
京都市街夕景

●日本総合研究所会長 寺島 実郎(てらしま じつろう)氏

日本は人口減少のサイクルに入っている。さらに高齢化という要素にも向き合わなければならない。戦後間もないころ、日本の65歳以上の人口の割合は約5%だったが、一昨年には2割を超えた。50年には4割を超えるともされる。アジアのダイナミズムを吸収し、少子高齢化に歯止めをかける発想も重要になる。

ただ定住人口を増やすのは至難の業。つまり、移動人口で活力を保つ戦略が大事だ。観光やイベントなど一時的要因だけではなく、恒常的に移動を促す発想が求められている。

例えば、関西に欠けているのは、全国各地からこの場所に来なければならないという情報の集積力だ。東京一極集中を打破するために情報の磁場、つまり情報により人を引きつけることができる場所をつくる必要がある。

東京なら汐留地区のような大阪・梅田北ヤ−ドの大規模再開発の中に、アジア・太平洋研究所をつくる構想がある。エネルギ−や環境、食料などの分野のアジアの若い研究者を集め、アジア・太平洋の情報の集約点をつくるというものだ。

先例と言えるのはパリのアラブ研究所だ。フランスとアラブ22ヵ国が出資し、20年かけて情報の磁場を作り上げた。今では中東や石油などに関する情報を求める人が集まってくる。国際機関の本部が集まるジュネ−ブも同様で、1泊500ドルするホテルが常に満室という状態だ。

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