◆マック地域別価格導入◆
●日本マクドナルドCEO 原田 泳幸(はらだ えいこう)氏 1948年生 都心の地価は1年間で4割上がり、店舗賃料や人件費を考えると、地域別価格をやらなければ業績を残せない。先日、長崎県を訪ねた際、地元である程度のランクのホテルで家族3人で夕食を取ったが5千円ほど。東京では考えられない。地域ごとに消費者の所得も購買力も違う。世界でみても全国一律の日本が例外で、地域別価格をやらない方がおかしい。 地域ごとの物価など経済指標と、商品ごとの価格への納得感、価格への敏感さなどを考慮した。顧客の消費行動をみるため、年6億−7億枚ものレシ−トを5年分分析するなど1年かけて慎重にリサ−チした。価格への消費者の反応を分析する世界的なパ−トナ−を持っており、今回も協力を得た。海外でも成功し証明された手法だ。 値上げした地域で安い商品に消費が移る現象は起きていない。一部メニュ−の割引キャンペ−ンと重なったため客単価は若干下がったが客数はむしろ増え、売上高は1月からの好調を維持している。値下げした地域も客数増が単価の下落を補い、売り上げは落ちていない。予想通りだ。 消費者からの問い合わせは昨年5月の値上げの時より少なく、クレ−ムもほとんどない。割り引きク−ポンを使う顧客が増えていることも背景にあるのではないか。当社のク−ポンが得られる携帯サイトの会員は300万人を超えた。消費者はメニュ−ボ−ドに書かれた価格よりも、「実勢価格」で買う傾向が強まっている。 値上げの地域が半分よりもう少し多くなるのではないか。当初は段階的に進めるつもりだったが、だらだらやるよりも一度に広げるつもりだ。人件費などコスト上昇は売り手の問題で、それを理由に値上げしても通らない。顧客から見た商品価値が高まらないのに値上げすれば客を失う。当社は改装や作りおきできない商品の提供、24時間営業拡大などを進めてきた。他社が同じようにやるだけでは失敗するのではないか。 カフェ業態への参入は、当社の過去3年間の売り上げの伸びは相当部分をコンビニエンスストアの需要を奪ったが、カフェからのは少ない。当面開業する15店で半年から1年かけて検証するが、当社にしかできないメニュ−、スピ−ド、サ−ビスを提供できればチャンスは十分ある。 |