●中学で「よのなか」科を創設●
●中学で「よのなか」科を創設 東京都杉並区立和田中学校校長 藤原 和博 氏 「よのなか」科は2、3年生を中心に行なっている、真の総合教育です。地域や社会で活躍する大人たちを大勢教室に招き、現実の社会、規範意識、道徳心などについて考えます。 例えば、生徒たちはハンバ−ガ−ショップの店長の役割を演じる、つまりロ−ルプレイングすることで経営をシミュレ−ションして、ビジネスや経済を体験します。また、自殺やホ−ムレスの問題についての議論もします。ホ−ムレス問題を議論したときは、実際にホ−ムレスの人を招いて話を聞きました。 こうした姿勢に対して「寝ている子を起こすべきでない」と批判する古いタイプの教師もいますが、私はこう反論します。「冗談じゃない、今の子供たちは寝ていませんよ。寝ているのは、あなたの方でしょう」と。今のマンガ雑誌をご覧なさい。多くのテ−マは、生や死、死後の世界についてです。宗教の最先端の知識も入ってきます。子供たちは、大人の世界の本当のことを知りたがっているのです。 結論は出ません。正解などありませんからね。自殺のケ−スでは「だから命を大切にしましょう」といった安直な説教なども絶対にしません。この授業には3つの特徴があります。一つ目はロ−ルプレイングやシミュレ−ションを行なうことで、生徒自身が主体となって考えること。二つ目は大人と一緒になって考えるということ。三つ目は、正解がない課題だけれども、それが日常で様々な形で出会う事柄であることです。 こうした特徴があるので、生徒は「自分で考えるということはどういうことなのか」を学ぶことができるのです。つまり授業の目的は「リテラシ−」、私流に訳すならば「理性の運用技術」を身につけることです。(つづく) |