●若者よ「自分探し」するな-2●


第2回
第1回

●社会の評価に身をさらせ 学習院大学教授 佐々木 毅(ささき たけし)氏 1942年生

好ましい自分探しというのは、社会との間でらせんを描いていくような感じでしょうか。社会との出入りを何度も繰り返しながら、自分のストックを増やし、社会との関係を組み替えていく。社会のネットワ−クに入らずに、気に入らない、幸せになりたいというのは違います。

必要なのは自分を突き放すこと、露骨に言えば自分の価格、評価をよく見ることです。自分を相対化する道具として職業をとらえる。その上で、自分探しより自分生かしを考えるべきでしょう。

リポ−トを課したら、先生だけ読むのか皆にお披露目するのか聞いてきた学生がいました。『私たち、壊れてしまう』というわけです。今の学生にはものを書いたり作ったりして評価に身をさらすことができない弱さがあります。大学ではまず、比較されることに慣れるため“自己表出デビュ−”させることが大切です。王子様、王女様のガラス細工の自己を壊して社会に送り出す。幸い、学校は社会的、経済的リスクを一切負わず自分を見せられるのが特徴ですから。

若者を「自分生かし」に導く仕組みを社会の中につくる必要がある。

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