●人間が荒らしていない自然にあこがれがある●
●人間が荒らしていない自然にあこがれがある 作家 C・W・ニコル 氏 67歳 14歳から柔道を習っていて、さらに空手も習いたいと、22歳のときに日本へ来ました。東京の教室は厳しく楽しかった。でも、ぼくはそれまで大都会に住んだことがなかった。人が多すぎる、騒音。気がおかしくなり始めて先生に相談したら、先輩の大学生たちが冬山へ連れていってくれました。 目からウロコ。電車に乗ってすぐに素晴らしい自然があるのです。熊がいる、それも2種類。イノシシもいる。英国では熊は900年以上、イノシシは400年以上前に絶滅しているんです。こんな大都会のある文明国に、これらの動物や、すごい原生林がある。感激して、一人であちこち行くようになりました。 そのころ田舎の料理も、素晴らしかった。天然の恵みがたくさん詰まっている。ぼくの大好きな日本料理は、「今日は何もないですが」と言われて出されるもの。普段の料理、地元の山から採ったもの。それがおいしい。本当においしい。 鹿鍋にも感動しました。英国では鹿や野ウサギ、天然のイワナやマスは、貴族や大金持ちの食べ物。それが捕れる森や川は、彼らの猟場として独占されていた。それが日本の民宿へ入ると、イワナがいろりに何十本も刺さって、塩がふってある。初めは「大した密猟者だ」と思いましたよ。(つづく) |