| ●自己客観視能力が社会人には必要●
●自己客観視能力が社会人には必要 明治大学文学部教授 齋藤 孝 氏 1960生 今、大学の集中授業で「メタ・ディスカッション」というコミュニケ−ショントレ−ニングを行なっています。これは、6人ほどの学生が真ん中でディスカッションしているのを他の学生たちが外側から観察し、ディスカッションのプロセスをメモしていくというもの。外から眺めていると、誰が周りへの気配りができていて、自分の経験を織り交ぜながら生産的なコメントしているか、はたまた誰が課題を忘れて他の話に夢中になっているか、脱線しているか、などがはっきりとつかめます。すると立場を入れ替えた際、外からディスカッションを静観した学生たちは格段にディスカッションが上達します。このトレ−ニングによって内側にいても外側から自分を見つめることができる力、すなわち自己客観視能力を習得するわけです。 この自己客観視能力こそ、今の社会で求められている力。自分を客観視できれば、自分の実力がどの程度か、どんなポジションにあるか、今の自分がしなければならないことは何か、どんな能力が足りないかなどを冷静に把握できる。そうすると自分が「どんな力をつければいいのか」もわかる。この意識が実は非常に大切なんです。というのも、意識した途端、格段にその力が伸びるから。「うまくプレゼンテ−ションできない」「ディスカッションが下手」というのは決して気質や能力の差ではなく、経験がなく慣れていないだけ。意識して練習すればすぐに身につく力です。(つづく) |