●若者たちへ伝えたい私の経験●
●若者たちへ伝えたい私の経験 オリンパス社長 菊川 剛 氏 仕事をする上では、相手の立場を尊重し、誠実に仕事を進めることが、一番大切だと思っています。若いころ、三つの代理店を一つに絞り込むためにサウジアラビアに出張したとき、代理店からはずされる社長が怒って、ナイフを机に突き刺し脅かしてきたことがありました。しかし小売店になることのメリットを必死で説明し、相手のプライドを尊重して、最後には納得してもらいました。「至誠、天に通ず」だと実感しました。 社員に対しては、能力や資質も必要だが、それ以上に現状を打破する「気概」が大切だということを強調しています。それと、責任感や粘り強さも必要です。今の若い人はあきらめが早すぎると感じています。 ニュ−ヨ−ク駐在時代、米国市場に一眼レフの廉価版を投入して大成功を収めました。高級機志向の開発部隊からは強い抵抗がありましたが、市場を知っている私たちの執念が経営トップを動かしたのです。デジタルカメラへの進出も、先行メ−カ−に勝てないという消極論が支配する中で、プリント画質で勝負すれば負けないという判断を貫き、粘り強く役員を説得して、事業化にこぎつけました。その高画質戦略で、最終的にデジタルカメラのトップメ−カ−への仲間入りを果たしたのです。自分がこうだと思ったことは信念を持ってやり抜く気概を、若い人たちにもぜひ持ってもらいたい。 社長になってからは、社員にいろいろな形でメッセ−ジを発信しています。言いたいのは「なぜオリンパスは社会に存在しているのか。オリンパスの経営理念をよく分かって、日々の仕事に就いてほしい」ということです。最近は「ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ オリンパス」をキャッチフレ−ズにしていますが、オリンパスは人々の健康で幸せな生活を実現する価値創造企業として社会に貢献している。そのことに誇りを持って働いてほしいのです。 最近の若い人で感心するのは、ものおじしないことです。これは非常に心強く思っています。最後に自分への反省を込めて言うことですが、学生時代はきちんと勉強した方がいいです。それも専門分野だけでなく幅広い見識・リベラルア−ツが求められています。色々な本をたくさん読んでほしいですね。 |