●ブランドが企業の力を引き出す●

姫川源流の福寿草
姫川源流の福寿草  

●ブランドが企業の力を引き出す 法政大学経営学部教授 田中 洋 氏 1951年生

ブランドというと、企業名のロゴやマ−ク、イメ−ジキャラクタ−のことと了解されていることが多い。私はブランドから連想される企業や商品について消費者がもつ知識や情報がブランドだと考える。

我々がブランドから連想する情報を大別すると次の4つになる。
属性評価 = 「おいしい」「かっこいい」「うれしい」「いやな」などの評価的情報。
企業関連知識 = 商品カテゴリ−や事業領域などに企業にかかわる情報。
判断情報 = 「信頼できる」「人に勧めたい」などの商品やサ−ビスを選ぶときの情報。
知覚情報 = 「パッケ−ジデザイン」「におい」「雰囲気」など自分が経験した情報。

このようにブランドがもたらす情報にはいろいろな種類があり、消費者がそこから引き出すことのできるたくさんの情報や知識が要約されて詰まっている。

したがって、企業の立場からブランド戦略とは、単にロゴやマ−ク、広告戦略を考えだけではない。消費者がもつブランド知識をどのように戦略的に構築していくかがブランド戦略なのだ。このためには企業はブランドを通じて提供していく価値が何なのかをはっきりと認識していなければならない。

例えば、顧客やステ−クホルダ−(利害関係者)がブランドからその企業にとって有利な情報・知識をより早く引き出せるかどうかが問われる。車を買おうとしたとき、消費者の頭の中にブランド名が浮かぶかどうかということだ。

ブランド力とは第一に名前を知っているか、思い出せるか(知名)が重要だ。第二に商品や企業の名前を聞いてどのような情報を思い出せるか(連想)、第三に他の情報よりその企業にとって有利な情報が早く想起できるか(アクセシビリティ−)。

こうした三つの要素でブランド力は成り立っている。そして、ブランド力があれば、企業が持つ技術力や営業力、組織力などのパワ−が強化され、消費者に対して有利に働く。

例えば、営業に行くと顧客からより丁寧に対応されるだろうし、従業員の働くモチベ−ションも上がるだろう。ブランド力とは企業の力を効果的に引き出すエンジンなのだ。(つづく)

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