●若者が働きやすい社会のあり方●
●若者が働きやすい社会のあり方 教育社会学者 本田 由紀 氏 日本では学校で仕事に向けた準備や訓練をせず、企業が新卒採用した後、スキルや能力を育ててきました。新卒時に正社員になれなかった若者の能力を育てる仕組みがないため、卒業時に非正社員になると、なかなか正社員の道が開かれないのです。 90年代以降、若者の失業者や非正規労働者が増えました。そこで「最近の若者は働く意欲に賭ける」という文脈で、「ニ−ト」という言葉が使われました。でも統計では、働く意欲がなくて無職の若者は増えていない。増えているのは、働く意欲はあるのに正社員になれない若者です。そのような若者の、復活の道が閉ざされていることが問題です。 若者の雇用の不安定化は、社会の構造の問題として考える必要があります。企業に新卒以外の採用を義務づけたり、職業訓練の場を設けたり、正社員と非正社員の格差を縮めるなどの対策も必要です。今は自己責任論が支配的で、就職できない若者は自分を責めてしまいがち。でもどうか自分を追いつめないでほしい。最近は抗議集会やデモも活発化してきましたが、社会に対して声を上げることも大切です。(つづく) |