●認知症予防、歩く習慣をつける●
●認知症予防、歩く習慣をつける 日本ウオ−キング協会副会長 泉 嗣彦 氏 高齢者にとって認知機能の維持はとても大切だ。認知症は加齢とともに多くなり、特に75歳以上の後期高齢者になると急増する。女性に多いのが特徴だ。認知症の高齢者数は149万人で65歳以上の6.3%を占める(2002年)。高齢化社会が進めば、認知症の高齢者数は25年にはほぼ倍増の323万人になると推計されている。 脳血管性とアルツハイマ−型の2タイプある。脳血管性は脳血管が閉塞(へいそく)する脳梗塞(こうそく)を起こすことが原因。予防は日ごろからよく歩き、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にならないこと。発病したらきちんと治療・管理して重症化させない。 高血圧、糖尿病、脂質異常症は、またアルツハイマ−型の危険因子でもある。九州大学の久山町研究では糖尿病やその予備群の人はそうでない人より4.6倍なりやすいことが判明した。アルツハイマ−型の原因は不明だが、ウオ−キングなどの有酸素運動に予防効果が認められている。 東京都老人総合研究所では、認知症予防としてウオ−キングプログラムを作成し、日常生活で無理なく、歩数を少しずつステップアップして、最終的に1日30分、週5日早歩きできるようにしている。 認知症を予防するのはウオ−キングなどの身体活動で全身の血流が促進し、脳の前頭前野や海馬という記憶や計算などを担う領域に十分な酸素や栄養を供給するためと考えられている。 歩くことは人間がこころとからだの恒常性(ホメオスタ−シス)を維持する最も基本的な動作だ。座位中心の生活習慣を見直し、活動的で健やかなライフスタイルを築くきっかけになってくれればうれしい。 |