●楽観的に考える●
●楽観的に考える 日東電工相談役 山本 英樹 氏 これまでの人生で一番苦しかったのは、米国のグル−プ会社が特許問題で訴えられたときだが、当時、その会社の雰囲気は決して暗くはなかった。後で現地社員に聞いたところ、「山本さんがいつも笑顔だったから」という答えが返ってきた。私自身は苦悩の日々だったのだが、もともと楽観的な質(たち)であることが幸いしたのかもしれない。 ものごとは、悪い方に考えればきりがない。いっそのこと、失敗することは考えないことである。無論、まさかに備えて対策は怠ってはならないが、やるときは「成功する」と信じたほうがよい。運は後からついてくる。 実は、後継者を選ぶときに、本人の才能や実力だけでなく、「運が良いかどうか」も選択の基準にしてきた。運が良い人間は、それなりの努力をしているからである。楽観的に考え、前向きに実行するからこそ、運がついてくる。企業では失敗を経験してきた社員ほど強いが、彼らが強くなれたのは苦しいときにも前向きであったからだと思う。 私自身、赤字の事業部で苦しんでいるとき、トップから何度も叱り飛ばされたが、その厳しさの中に「お前の事業部は将来きっと花開くから、がんばれ」というメッセ−ジを読み取ることができた。だからこそ、耐えることができた。悲観的に見ていたら、そのメッセ−ジを読み取れなかったかもしれない。 |