●ブランドが企業の力を引き出す-3●

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●ブランドで商品評価決まる 法政大学経営学部教授 田中 洋 氏 1951年生

企業ブランドがどのように商品評価に影響を与えるかを知る上で、サントリ−の緑茶飲料の開発事例は興味深い。

同社はウイスキ−やビ−ルの会社として抜群の知名度を持っているが、近年では「ウ−ロン茶」ブランドでもよく知られている。ところが、過去、「緑茶」でウ−ロン茶ほどは成功していなかった。

どうしてウ−ロン茶は成功しているのに、緑茶はうまくいかないのか。

それを知るために、同社は消費者調査を行なった。その結果、意外なことにサントリ−は優れたウ−ロン茶を作れるメ−カ−であっても、必ずしも緑茶飲料でウ−ロン茶ほどの消費者評価をもらっていないことが当時判明した。

そこで、同社は京都にある福寿園という老舗の製茶会社と提携して緑茶飲料の新商品「京都福寿園 伊右衛門」を出し、大成功を収めた。福寿園ブランドとコラボレ−ションし、同時に緑茶の革新的な製造技術を用いて、事業を成功に導いたのである。この結果サントリ−は自社の企業ブランド価値をさらに高めたといえるだろう。このように企業ブランドは商品評価に大きな影響を与える。

実は企業ブランドには企業全体としてのブランド価値を持つ「企業ブランドタイプ」と、強力な商品ごとのブランドを持つ「商品ブランドタイプ」の二つがある。

例えば、IBMは強力な企業ブランドを持つ会社だが、プロクタ−・アンド・ギャンブル(P&G)は社名よりもパンパス(紙おむつ)、パンテ−ン、h&s(ヘアケア製品)、ジレット(安全カミソリ)など多彩で強い商品ブランドを抱えている。

一般的には、企業ブランド中心のブランド体系の方が、企業価値はより高まるという研究結果がある。個別の強力な商品ブランドを保持、管理していくには、相当な企業体力や管理能力が必要であり、P&Gのような企業は例外だろう。

以上述べたように、企業は企業価値を高めるために、より強力な企業ブランドを構築していくことが現在重要になっている。特に、企業能力とCSRの強化が求められているといえよう。(おわり)

田中洋へ

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