●日本は衰退国である-3●

光のファンタジ−・shinjuku
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第1回

●世代と既得権が真の対立の構図 経営共創基盤社長 冨山 和彦 氏

そもそも今日、経済財政政策での国民的な意思統合を妨げている最大の要因は、労使対立でも官民対立でもない。地域間の人口移動が容易な時代に地域間対立も本質的な意味を持ち得ない。むしろ事業再生のような現実社会の修羅場で直面するリアルな対立構図は、どの地域でも世代間対立であり、既得権益の内と外の間の利害対立だ。

大借金国家における少子高齢化は、年金など社会保障の問題で、多数派たる中高年と少数派たる若者との間で深刻な利害対立を生み出す。また、雇用や生活に関する諸制度は終身年功型雇用を前提に設計されている。企業内でも権力を握っているのは年功があり多数派の中高年世代だ。彼らの雇用維持を優先するからこそ、不況期には新卒採用を抑えて若年層を排除する。その結果がロストジェネレ−ションであり、現場力の疲弊だ。

さらに、高度成長期以来、安定が続いた社会システムの中に巨大な既得権益構造が形成されている。国・地方の官僚機構と外郭団体、その周辺で規制に守られた民間企業や職能集団。その中に「正規雇用者」や「有資格者」として運よく潜り込めた人々と、はじき出された「非正規雇用者」の間にこそ、本来の生産性や競争力を反映しない不公平な格差と対立がある。

民主国家で選挙制度は第2の憲法と呼ばれる。この国の未来に向け、より大きな人生の積分値を有するのは若い世代だ。しかし少子高齢化の下での一人一票という仕組みの中で、彼らは圧倒的な少数派である。参議院に至っては若者が多く住む都市部には最大5倍もの一票の「格差」をつけられているところがある。所得再配分に依存している地方ほど既得権構造が温存され、この中では、与野党とも本質的な論点に真正面から切り込むことは極めて困難。衆参両院、そして与野党それぞれの中にあるねじれと論点の希薄化はこの歪みを反映している。(おわり)

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