●満員の会場の魅力●
●満員の会場の魅力 アルビレックス新潟会長 池田 弘 氏 今月19日に開幕する野球独立リ−グのBCリ−グは今季が2シ−ズン目。初年度の入場者数は1試合平均1790人だった。もっとも集客力のある新潟アルビレックスBCでも2141人。平均5000人の目標の半分にも達していない。 私は漫画家の水島新司氏らとリ−グの設立発起人となった。大口の出資者ではあるが、直接経営の指揮をとっているわけではない。ただ、「(満員の会場で試合をしている)サッカ−やバスケットのアルビのノウハウを生かしていない」と感じる。 試合会場を満員にするには、そのスポ−ツに興味がある人をタ−ゲットにするだけでは絶対に無理だ。ル−ルを知らない、試合をテレビでも見たことがないという人たちの足を会場に運ばせ、さらに次もここに来たいと思ってもらう必要がある。 サッカ−のアルビレックス新潟が完成間もないビッグスワンのピッチに初めて登場したのは2001年5月19日。約3万2000人が集まった。従来の観客数の8倍にもなる大観衆の8割以上は無料招待チケットによる来場者だった。残りも後援会やスポンサ−関係で配布したチケット客。まともに入場券を購入した観客はほとんどいなかった。私はその後の試合でも「チケット売り上げはゼロでもいいから、できる限り多くの観客を集めてくれ」と指示した。 1994年のワ−ルドカップ米国大会決勝を視察した際に経験したが、満員になったスタジアムはそれだけで身震いするほど興奮する。当時、オフサイドのル−ルも知らなかった私に、0−0の末にPK戦でブラジルが勝った試合は期待はずれだったが、ロ−ズボウルを埋めた9万人を超える大観衆の中で「巨大な祭り」に参加している感覚を味わった。 ビッグスワンで戦うのは地元新潟のチ−ムだ。舞台は新潟ではありえなかったほど豪華なスタジアム。観客が多ければ雰囲気は最高となる。サッカ−好きでなくても、この「異空間」で「おらがチ−ム」を応援する快感を体験すれば、みんなサポ−タ−になってくれると確信していた。 増えたサポ−タ−にチ−ムも必死のプレ−で応え、4万人近い観客が当たり前になった。無料どころか、J1に昇格した04年シ−ズン開幕前には年間シ−ト2万1000席が即売した。サポ−タ−に農家の老夫婦が目立つなどと聞くと、誇らしくうれしかった。 だが、最近は危機感を抱いている。05年に平均4万人を超えた観客数も昨季は3万8000人台。チ−ムが6位の好成績でも増えなかった。今季ホ−ム初戦は3万5083人。サポ−タ−の「おれたちが支える」という気持ちに変化はないと信じているが、観客動員数Jリ−グ2位という数字に安心していられる状況ではない。 |