●上司の顔より真理の顔を●
●辞表も出せる会社員に 哲学者 梅原 猛 氏 25年生 創造的な仕事をするには前例や慣習、常識にとらわれることなく、大胆な仮説を立て、それを検証する姿勢が大切です。保守的な先輩や上司の考えと対立すると、組織の中で孤独になり、冷や飯を食いかねませんが、それに耐える力を持たなくてはいけません。上司の顔でなく、真理の顔を見たほうがいい。場合によっては、意志を貫くため、会社を辞める覚悟も勇気も必要でしょう。それはたとえ中高年であっても同じです。 私自身異端の研究者で、組織の中ではいつも一匹おおかみでした。40代の半ばのころ、勤務先の大学と対立して3年ほど職を失いました。妻子を抱え大変でしたが、いざとなったら職場などみつかるものです。 注意しなくてはいけないのは異端といっても創造的な異端児がいる一方、変に権力欲の強い異端児もいる点です。組織の上に立つ者はこれを見抜く目を持たねばいけません。 狩猟採集を主とした縄文人が独創性に富んでいたのに対して、弥生時代に稲作が始まると、同じ品質のものを大量に生み出すようになり、弥生人はついに強い個性を持つことがありませんでした。以来、弥生文化が連綿と今日まで続いて、日本の組織は弥生人ばかりになってしまいました。組織には品質管理をする弥生人も必要ですが、縄文人がいなくては新しい発想が生まれません。日本社会はもっと縄文人のような創造的な異端児を育て、生かすという視点を持つべきです。 |